第23話
「まず古式魔法は陰陽思想からだったり密教だったり神道からなる広範囲の呪術と呼ばれるものだ」
その歴史は古く。約数百年前いわゆる俺の先祖の初代がいた時代と重なる。恐らくだが、この初代が異世界と共に持ってきた技術なんじゃないかと思っている。つまり平安時代の日本からもたらされて呪術だろう。これが広がるまでは人間は魔法を使えなかったといわれている。しかし人間がこれを使えるようになり広がって百年経つと魔法に使える体になったのか、魔法が使えるようなっていた。
「1つの呪術だけからじゃないんですの」
「色々なのが組み合わさったものが呪術と呼ばれている。だから1つ思想の呪術を使った古式魔法師もいる」
まぁそいうやつの中には我の流儀こそが古式魔法師のトップだとかいうやつもいるが。実際に何個も古式魔法師のなかに何個も派閥がある。それが互いに高めあっていくならいいんだが、大体が足の引っ張りあいをしてるんだよな。それが古式魔法師の衰退に繋がってることに気がついていない。
「そうなんですの。ちなみにお兄様はどの派閥で?」
「どの派閥にも入っていない。PRされて広告人形にされるのが目に見えるからな。俺は好きな呪術を習得すればいいと思ってるからな。これは親もそう考えている」
派閥関係なしに互いに教えあえば古式魔法師は次のステージにいくだろう。それだけ古式魔法には可能性が眠っている。元々古式魔法が1番人間にあった魔法なんだし。
「派閥でいがみ合う気持ちも分からなくもないですの。私もそうでしたから。他のソレイユ様の派閥を嫌がらせしてたりしてましたの」
それは公式の本には書いてなかった。あらゆるところで嫌がらせしていたってことか。まぁそれは過去の話だから俺は気にしないがないが。派閥は巨大になるとどこも現れるものである。
「そうか、あんまりもうするなよ。自分が大切な人になにか危害が加われそうになったときだけ動け」
今までやっていたことをやるなと言ってもやっちゃうの人の性だからやるなとはいわないが、できるだけやらないでほしいものだ。まぁ俺もルナに何かあったらすぐに動くから同じか。
「分かりましたの。大事な人に何かあった時にだけ動きますわ」
その様子だとなにか起こそうとしてる感じはしなかった。だが、静かに何かを決めていたことを俺はこの時は知らなかった。事件が起きてから知ったからだ。
「それでお兄様なぜその女がいるんですの?」
「それは私が新しい婚約者だからですよぉー」
するとルナは目を細めて、怪しげにエミリーを見ていた。
「嘘ですわね。魔力から嘘の香りがしますわ」
「どこでそんな高等技術を!まさかミキ教えたのですか!私を振りほどくために」
いや俺も驚いているわ。教えてないのに魔力や霊力を見えるようにしたのは最近なのに。俺もできるようになったのは親父に教えて貰ったからだぞ。しかもそんなすぐにできなかったし。どんだけルナには才能があるんだよ。神様よ何個も与えすぎじゃない?
「いや俺は教えてないぞ。むしろできて驚いているくらいだ」
「これは魔法書を見てできるようになったんですの。ふっお兄様の隣にいるにはこれくらいできなきゃいけませんの」
ドヤ顔しながらルナは言った。俺のとなりにいるのに魔法力は関係ないと思うが。だがエミリーはそう思ったのか悔しそうな顔をしている。エミリーならもっといい男がいると思うんだが、俺に執着する理由はなんだ?
「私だって今は練習中なんです。いづれ古式魔法師最高峰の陰陽頭を目指すんですから」
「それがこの国のトップの魔法師ですの?それならそれはお兄様がなりますわ」
普通の古式魔法師でいいんだが。だって陰陽頭とか大変そうじゃん。しかも戦争の最前線にはでれないし。仲間が死んでいくのを指を加えながら見なきゃいけない。それなら自由度のある普通の古式魔法師でいい。
「ならないからな。俺にだって守りたいものはある。陰陽頭になったら全体を見て判断しなきゃいけないからな」
「お兄様がそうおっしゃるならなにも言いませんの」
それにそんな馬車車にみたいに働きたくないし。陰陽頭になったら政治にも加わらなきゃいけない。そんな腹の探りあいは疲れる。だが普通の古式魔法師だと、命令に従わなきゃいけないから独立魔法師を目指すかな。あれなら一人で強力な力を持っている証明になって自由に動けるからだ。それは12人しかなれなくて12神将とか呼ばれている。
「ある程度地位にはつくつもりだがな。その方が自由にできるし」
「お兄様ならきっとできますわ」
実力だけでなれるからな。独立魔法師は。だから性格破綻者もいるらしいが。まぁ天才なんてそんなもんだよな。俺は天才じゃないけど努力でなって見せる。給料もいいし。
「ミキは才能あるのに目指さないですかぁー」
「陰陽頭なんて激務だろう。そんな働くくらいなら自由が効く独立魔法師のほうがいいわ」
まぁ元々はトラストで大魔法師を目指していたが、エマと別れたことで目指さなくなったからな。エマは今ごろ何をしてるんだろう。好きな魔法を学べて楽しんでいるのかね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます