第15話

魔物集団はあっさりと倒された。やっぱり魔力の使いかたがうまいな。初めての古式魔法でバテないのは才能がある証拠だろう。これなら色々教えられる。魔法の才能もあるからこれわ伸ばしていけばうちの国の軍事力もかなり上がる。


「よかったぞ」


「そうですの?古式魔法は思ったより魔力使うんですのね」


「まぁ破壊力がある分使うな。それでも初めてにしてはちゃんとした魔力配分だったぞ」


大体のやつが魔力を込めすぎて枯渇するし。魔法と違って魔力を込められる量が決まってないからな。だから古式魔法師は魔力を使う配分がうまい人が多い。入れる時は入れる、あまり強力じゃないところはあまり入れないとかな。


「お兄様の妹ですわ。これくらいできて当然ですの」


そう言って胸を張った。今みると胸はでかいし、スタイル抜群だよな。顔は美少女だし。ソレイユ様もよく追放したよな。このレベルの美少女はとらせたでも少なかったしな。トラストに行った時そう感じた。


俺のことをある程度尊敬はしてくれてるらしくて嬉しく感じる。


「妹がレベル高くてお兄ちゃん嬉しいよ」


そう言って頭を撫でると、気持ち良さそうに目を細めた。髪さらさらだな。さすが元貴族。手入れは丁寧にやるんだな。しばらく撫でた後頭から手を離すと、あっと少し寂しそうな声を出していた。


「こ、これは違うんですの。決してお兄様に撫でられるのが気持ちよかったから寂しそうな声を出したわけではないですの。そう、お兄様がもっと私の髪のすばらしさを堪能してほしいと思っただけですわ」


思いっきり顔赤いし、撫でられたいのがバレバレだが、ここは知らない振りをしておこう。ツンデレマジで可愛いからな。ソレイユ様が手放したり言うが分からん。もっと精査した上で追放するだろう普通。しかもこんなに可愛いのに。


「そうか、それじゃもっと堪能するために撫でよう」


そうしてまた撫で始めた。撫で心地がいいわ。ルナは鼻歌を歌っている。気分いいな。すると頭を俺の肩に乗せてきた。なにこれあざとすぎるだろ。まさしく俺の天使だ。誰にも渡さん。


しばらく撫でてると、逸馬にか昼になっていたので、俺は適当な魔物を狩って、火を起こし昼食にすることにした。この数日間で魔物をうまく調理するにはどうやって倒したほうがいいかを学んだ。


「ケロベロスってこの辺多いんですの?」


そう今回はケロベロス肉を使った調理をした。焼いてコショウをかけただけだが。それでも肉の素材のよさがでて牛肉と変わらないくらいの味にできる。ブランド肉まではいかないが。


「ああ、なんかケロベロスの王かなんかがこの辺にいるんだよ」


魔王はこの地を本気で侵略するきでいる。そのために優秀な古式魔法師の育成を国は急いでいる。だからルナみたい優秀な人材は必要不可欠なんだ。例えトラストに追放されたとしても。


「そうなんですの。いつかその王を狩ってみせますの。それが受け入れてくれたこの国への恩返しになるなら」


「こっちにもメリットがあるから国は受け入れたんだ。そんな真剣に考えなくてもいいぞ」


実際うちの国はまだ学生の女子を軍事力の一人だと考えているんだからな。端から見たらひどい話だ。だからそんな恩義を感じる必要はない。古式魔法も習得すれば本格的に戦争に投入するだろう。


「それでも罪人の子供を受け入れてくれたんですの。どんな理由であれ恩返しはしたいと思いますわ」


「そうルナが決意したなら俺はそれを尊重する。あまり無理はするなよ」


そして食べ終わったので皿を捨てて、馬車に乗り再び出発した。馬にニンジンは与えたぞ。美味しそうに食べてたな。まぁうちの国の新鮮なニンジンだからな。美味しくて当たり前だが。


「それで今回はどこま寄らず直行するんですの?」


「途中で鍋と鶏肉を調達する予定だ。今日の夜は鍋にしようと思っているからな」


「鍋ですの?名前は聞いたことありますけど食べたことはないので楽しみなんですの」


俺の前世の覚えている鍋だが。次よる町ヨークはニホンの影響がそれなりあるから鍋は売っていてるだろう。ついでにもうちょっと野菜も買っていくか。鍋といったらやっぱり野菜だからな。


それからケロベロスを狩っていき、肉を調達して、るなの魔法で腐らないようにしてある。氷の魔法だ。俺はこの系統は使えないからルナがいてくれてありがたい。


「あ、町が見えてきましたわ」


「あれがヨークだな。多種多様な種族が住んでいて文化が発達した町だな。唯一魔人や鬼人が住むことを許可されてる町だ」


マジで今までスパイがいなかったのが奇跡的なくらいの多種属が集まった町だ。文化もアラスタ随一と言っても過言ではない。建物は西洋風ものが多い。ヨーロッパ中性の町並みと言ったらいいか。そのなかに何件か和風の建物もありモダンな雰囲気が漂っている。


馬車を専用の駐車するところに置いて、町にでる。エルフだったりが人間の恋人と歩いている。ここは多種属同士で付き合っている人のユートピアと呼ばれている。


「エルフが人間と仲良さげに歩いているの始めてみましたの。エルフは他種族嫌いで有名ですから」


「付き合うことによって迫害された人が集まる町でもあるからな。後は文化に嫌気がさしてきたりだ」


それにしてもエルフはやはり美形だな。正直羨ましい。俺もあれくらいイケメンだったらエマをとられることはなかったんじゃないか。いかんいかん今はルナがいるんだからそれでいいだろ。常に未来をみて動けこれは親父からの言葉だ。俺は今できることをする。









 





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る