第13話

「それでコネと言ってもどんなコネがあったんだ?」


どんなコネでも構わないが。まぁルナの希望に合致するからどんな理由でも構わないんだが。王立に転入できることに驚いただけで。一応最大輸出国の反逆罪で処刑された親の娘だからな。よほど強力なコネじゃなきゃ無理だろう。


「あそこの学院長とは知り合いでな。元々罪に対して疑問に思っていたんだよ。あまりトラストにいい印象はないみたいだからな。それで養子になったことを伝えたら是非うちの学院に来てくれとなったんだ。ルナは魔法の才能が溢れていることで有名だったしな。魔法プラス古式魔法を使えればアラスタの戦力になるだろうと考えたんだろうな」


まさかあっちからオファーが来たのか。まぁルナの才能なら納得だが。古式魔法を使うための見鬼の才を身に付けさせないとな。これがないと古式魔法は使えない。


「そうか、ルナこっち来てくれ」


「分かりましたの」


俺は呪符を当てて地を呪符に滴し呪文を唱えた。


「才気よ目覚めよ」


するとルナの目が輝く。するとルナはいきなり今まで見てた景色と違う景色が見えて驚いたのだろう。目を見開いている。これで霊気を見ることができるようになっただろう。


「霊気ってこんなに美しいですわね。あ、なんか人が増えてますの」


「それは俺の式神だ。挨拶してくれ渚」


「初めまして私は渚って言うんだ~。元幽霊で今はミキの式神をしてるよ~」


式神なのに様付けしないのかって?こんなしゃべり方なのに様付けしたら違和感があるだろう。ちなみに渚は元悪霊だ。かつて付き合っていた人に不倫され悪霊になったのだ。それを俺がその不倫したやつをたまたま成敗してろえやにぶちこんだら渚が礼ってことで式神になった。


「ずいぶんフランクですのね。もっと固いものかと思ってましたの」


「そのままでいいってミキが言うからね~」


「挨拶も済んだし、寮に入る準備もするぞ。一応簡単な古式魔法の本は持っていくぞ」


ゼロからあそこの学校に通うのは辛いからな。王立でナンバーワンだし。魔法はあまりやらないが、古式魔法師を何人も排出している。魔法師はほとんどいないが。


「分かりましたの。それでいつ出発するんですの?」


「二日後だ。休みをもらってるのがそれくらいだからな」


まぁテストで結果さえ出せば授業は出席しなくてもいいんだが。実力主義の学校だからな。放任主義で、自由にやりたいことをできる。前世での大学に近い。


「分かりましたの。すぐに準備しますわ」


そう言って部屋に入っていた。結局この部屋は使わなかったな。まぁ里帰りで使うか。本棚やタンスは今日中に設置したし、買った服を転移魔法で送るか。後魔法書とか、寮は俺と同室になるだろうし。そこで整理すればいいだろう。


それからしばらくして、キャリーケースと大きいバックを持ったルナが部屋からでてきた。


「転移魔法で送るですの?」


「俺の送れる範囲内だからな。さすがにプロじゃないから一つづつになるが」


「それでもあの距離で送れるのはすごいですの」


まぁこういった日常で使う魔法はそこそこ得意だからな。戦闘系は古式魔法の方が得意だ。そっちのほうが破壊力あるし。魔法は一応上級魔法を二つ使えるレベルだ。


ルナに誉められるとか嬉しすぎて跳び跳ねちゃいそうだ。推しと家族になるだけでも嬉しいのにでれも見せてくるとか最高かよ。


「それなりにトレーニングはしたからな」

 

そう言って一つづつ転移魔法で送っていく。そして送り終わると、俺はお茶を飲んだ。これはニホン産のお茶だ。苦味があまりなく美味しい。


「それにしても新しい学校は楽しみですの。でも不安もありますの」


そりゃ貴族だったから処刑されたことは知れ渡っているだろう。それでいじめをするやつもいるかもしれない。見た目がいいから恐らく女子からな。


「何があっても俺が守ってやるよ。だから安心して学校に通ってくれ」


すると満面の笑みを浮かべた。ヤバイ可愛すぎて萌える。にやけちゃいそうになるのをなんと我慢した。こんなんで毎日耐えられるのだろうか。いつか手を出さないよな?でも義理の兄妹だから問題ないのか?


「お兄様どうしました?」


「いや、ルナが可愛すぎてちょっとボーとしていた」


「か、可愛い、そ、そんなこと言われても嬉しくなんてないですの。私が可愛いのは当たり前ですの。そんなこと色んな人に言われましたわ」


すげーツンデレ。ここまで好意が上がったことが嬉しい。それにしても自分で可愛いって言うことは分かっているんだな。じゃなきゃ王子の婚約者に嫌がらせはしないか。自分のほうが上だから好まれてるほうに対して嫌がらせをするんだろう。嫉妬しやすいタイプし。まぁ俺に対してはしないだろうから問題ないな。


「そうか、明日には出発するからな。制服はなんかOBからもらったらしいからそれを着ていってくれ」


「分かりましたの。それではお休みなさい」


「お休み」

 

それから俺はルナの部屋をでて、風呂に入った後自分の部屋に入ると、久々のベットに寝転がると、眠くなりすぐに寝た。ベットの気持ちよさにはやはり寝やすさは敵わない。

















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る