第10話

そんなことを考えながら服を見ていたら、ルナが和服を持ってきた。珍しいから着てみたくなったんだろう。まぁかわいいしな。特に花柄とかが。


「それを着たいのか?」


「そうですの。これはすごくおしゃれに感じましたわ。それに家の感じとマッチしそうですの」


まぁ武家屋敷なら和服は合うかもな。最近の流行なんだろう。城下町でも着てる人はよく見る。だから外で着ても目立たないだろう。それに簡易的なものならそんなに高くない。江戸時代の人が日常で着るやつだ。


まぁルナが着たらどんな和服でも上品に見えるんだがな。それだけルナと和服は合う。それだけの美少女ってことだ。まぁ面食いの俺の推しだから当たり前だが。


「そうだな。それとワンピースはよくないか?可憐さが追加されるぞ」


「いいですわね。決してお兄様に勧められたから買う訳じゃないですの」


ツンデレきたー。やっぱ美少女のツンデレは最高だな。天使と言って可笑しくない。これが人に嫌がらせをした人物とは思えないな。まぁ嫉妬をしたら人が変わったりするっていうしな。そんな感じだろう。


それから服を買い、ここは商店街なので案内がてら色々なところによることにした。


「それで他にやりたいことはあるか?」


「あのプリクラ?と呼ばれるものやってみたいですわ」


ああ、あの目がでかくなるやつか。前世は友達か男友達しかいなかったから入ったことなかったんだが。この世界に来てからもエマは特に興味をいだいてなかったからなかったんだよな。


「いいぞ、恐らく完成品を見て驚くだろうな」


それからプリクラ機に入ると目映い程のキラキラさを感じた。リア充か来たことによってキラキラな魔力がついたのか。どんだけリア充か来たんだよ。あまりのキラキラさにしかめっ面をしてしまう。前世からこいうキラキラしたものは苦手で青春をしているカップルとか見ると呪いたくなっていだよな。今は呪えるが、呪ってない。エマが近くにいたからな。


「何顰めっ面をしてますの?やり方分からないので操作してほしいんですの?」


「俺も始めてだから分からなお。後顰めっ面なのはリア充の魔力がそこらじゅうにあるからだ」


どこの世界もリア充はプリクラ機が好きなんだな。こんな整形並みに変わるくらいの写真のどこがいいんだか。リア充だったらこいう写真を撮らなくても充分イケメンとかわいいやつはいると思うんだが。


「そうなんですの?てっきり撮ったことがあると思ってましたわ」


「俺がエマ以外の女子の友達がいると思ったか?同姓ではこんなのは撮らないし」


「モテそうな気がしたんですの」


モテるのは間違いじゃない。主に幽霊だが。それも悪霊の類いの。昔は何回も殺されかけたわ。死ねば一緒にいれるねとか言って。古式魔法を磨いてから祓えるようになったが。それでもヤンデレのような悪霊に出かわすんだから運がないのだろう。


「人間にはモテないがな」


あ、あそこに悪霊がいる。何とか隠れるか。陰業の術を発動する。そしてキョロキョロとしている悪霊をが過ぎるのを待ち、どっか行った後俺は術を解いた。


「今誰にも認識されてなかったですの。あれが古式魔法ですの?」


「そうだ隠れるのに最適な術だ」


「なんで隠れたんですの?」 


「悪霊がいたからだよ。昔から悪霊に好かれやすい体質でな。生きてる人間にはモテないのに」


何で悪霊にしかモテないのかね。なんかそいう魔力でも出てるのか?悪霊を魅了する魔力が。まぁどうでもいいか。それより今はプリクラを撮ろう。


「それよりプリクラを撮ろうぜ」


操作をプリクラ機の説明を聞きながらやっていく。ルナは声が機械から出ることに驚いている。まぁ科学に触れたことないやつだと驚くか。


「声がでますのね。なぜトラストになかったですの?トラストは文化の中心地でもあるのに。これがトラストにあれば間違いなく流行りますわ」


「なんかニホンのお偉いさんが外には出したくないらしい。たぶん悪用されるか、侵略をしてくるからだろうな。だがら国内だけ限定でこいうのがあるんだ」


科学者を拐って無理矢理作らせる可能性もあるしな。まぁどこの国も科学には興味を持っていないから今んところ誰も接触してきてないらしいが。アラスタですら娯楽で終わってるからな。


これが一番平和なんだろう。軍事力に悪用されないのが。ニホンは恐らく兵器を作っているから完全な平和ではないが。他の国に侵略されないためには必要だろう。


「兄妹モードっと」


「それではハグをしてください」 


兄妹だよね?いきなりぶっこんでくるってこれがリア充なのか。リア充の兄妹はハグをするのか?ルナを見ると両手を拡げている。


「決してハグがしたい訳じゃないですの。機械の声にしたがっているだけですの。ええむしろこれはプリクラを楽しむのに必要ですの」


「はぁー分かったよ」


推しとのハグ興奮しちゃう。そしてハグをするとルナは俺の胸板に頭を預けた。思わず頭を撫でてしまった。やべーキモいと思われてないよな?俺はすぐに手を離した。残念な声がルナからしたが昨日せいだ。


それからプリクラ機に翻弄されながらなんとか撮り終えた。














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