第7話
「魔法的便利さは感じないですけど古風な感じがしていいですわね」
「アラスタの王都は城下町があって、あらゆる結界がひかれている。古風なのは昔の文化を大切にしてるからだな」
人によっては古くさく感じるが。俺は結構気に入っている。前世は京都とか好きだったしな。やっぱり歴史を感じるのがいいよな。昔から変わらないところはその分発展を妨げることもあるがな。
「トラストはどっちかというと魔法で色々作ってあるから新鮮ですわ」
「アラスタはレンガ造りが多いからな。アラスタと違って建築士がいる。トラストは魔法建築士が組み立てるんだろ?」
「そうですわね。魔法建築士は専門の知識が必要だから専門の学校があるんですの」
「建築士も似たようなものだな。まぁ建物を建てるんだ専門知識は必要だろう」
俺は大魔法師になるためにアラスタ王立魔法学院に通ってたが、エマがいない今目指しても仕方ないしな。それにアラスタに大していい印象は持ってないし。ソレイユ様は強引で婚約者を取られたし。
はぁどうするかね。普通の学校に通うのもいいが、古式魔法師目指すのはありか。そっちの方がこっちだと魔法師より古式魔法師の方が稼げるし。陰陽師の資格でも取って古式魔法師になるか。
「お腹空いたな。ラーメンでも食べるか」
「そうですわね。楽しみですわ」
いきなりこってりは無理だろうから、あっさりした味噌ラーメンにするか。あれなら初心者でも美味しく食べれるだろう。というかよくあんなに方な知識を持っているな。あの地域の転生者は相当頭がいいんだろうな。一地域のトップになりこれだけ日本的な文化を築いているってことはな。
そして、雷門に着いた。この店は俺が千葉でよったことある店だ。恐らく転生者が千葉に関わりがある人なんだろう。
「店構えがあまりトラストにあまりない感じですわね」
「味もあまり取らすとにない感じたぞ。入るか」
俺達は店に入った。店内は日本と変わらない。そこまで再現してることに驚いている。こりゃ味もいいだろうな。楽しみだ。そして席に着くとメニューをジーと見ている。写真を見ているな。まぁトラストじゃ麺ものはないからな。
「この辛味噌って辛いんですの?」
「ああ辛いな。辛いのいけるのか?」
「好きですの。あのピリッという辛さがたまらないんですの」
公式ファンブックじゃ書いてない情報だから知れて嬉しいな。それに好みが同じなのも嬉しい。あっちじゃあんまりおんなじ好みのやつはいなかったからな。まぁ友達が少なかったというのもあるが。
「それじゃ俺にそれにするからそれを二つにするか」
つうかアイパットってどんだけハイテクなんだよ。うちの国ってもしニホンから技術者を招いたら科学力がすごいことになるんじゃ。そしたらトラストなんて目じゃないな。噂によるとニホンは独自の軍事力も持っているらしいし。どこも戦争してないから噂レベルだが、魔王と戦争になったらその軍事力が火を吹くかもしれない。魔法も強力だが近代兵器はやはりそれを勝る。
アイパットで二つ頼んだ。その時ルナは興味ぶかそうにそれを見ていた。まぁこのアイパットはよその国じゃ出回ってない。アラスタがこの技術のすごさに気づいてないから、いまだにニホン関連のものにしかこのハイテク技術はないが。
そしてしばらく経つとラーメンがきた。おお!千葉で食べたのと変わらないな。ここまで再現力があるってどんだけ食べこんできたんだ?
「それじゃいただきます」
「?いただきます」
アラスタの作法だと思ったのか、そう言ってルナは食べ始めた。麺をすすると、ルナはカっと目を見開いた。この喉に絡む辛さがたまらないだろ?
「美味しいですの。辛いもののなかではナンバーワンですわ」
「気に入ってもらえて何よりだ」
それから一言も発っさず食べた。やっぱりラーメンを食べるときは話ながらではなく騙って食べるのが一番美味しさを味わえる。それに店側も回転率が上がってウィンウィンだ。食べ終わると会計をして店をでた。
「美味しかったですの。それにしても後払い奈子とに驚きましたわ」
「ここは治安が良いからな。格差も少ないし」
アラスタは地方と王都はさすがに格差はそれなりにあるが、王都内はそんなにない。これはきちんと教育を受けさせてる証拠だろう。トラストは貴族が優遇しされてると聞いたことがあるが。
「トラストじゃ盗賊が多くて、社会問題になってますの。対策も効果ないですし」
やっぱり教育って大切なんだな。アラスタじゃ道徳の授業を重視する。どこの学校でもやっているからな。それがこの治安のよさにも繋がっている。
「結局は上が問題を起きる前に対策してるかだな。何が大切か分かっていないなら事が起きてしまう。治安は道徳心でなんとかできる」
「そうですわね、あ、あの抹茶プリン美味しそうですわ」
やっぱり好みが合うな。俺もアラスタの抹茶プリンは好きだ。苦くなく甘いからな。他国でも有名で各国に店があるくらいだ。
「買ってくるか?」
「ありがとうございますわ。あ、カフェオレもお願いしますの」
一応俺のお金なんだが。元貴族だからお手伝いさんが今まで親からお金をもらってだしていたのだろう。まぁその辺はバイトでもしてもらってお金の大切さを知ってもらおう。
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