第5話
あれから、馬車で出発してニホン産であるマックスコーヒをルナに渡すとそれを飲んで今まで飲んだなかで一番美味しいのみものですわと言って一気にニホンくらい飲んでいた。気に入ったもらえたようで何より。これで飲む人が増えれば俺の地域でも販売されるようになるだろう。少し落ち着き馬車の中で気になったことを聞いてみた。
「ソレイユ様のどこが好きだったんだ?」
俺の知識だと胸キュンなことはいうが、女好きでいろんな女子と関係を持っておる浮気男という印象なんだが。それに強引すぎるところもある。
「ああ見えても優しいですの。強引なところがあり、手に入れたいものは手段を選ばないですけども。何よりイケメンですわ。あなたも優しいですけど。でもあなたを好きになってわいませんからそこは勘違いしませんよう」
「分かってるよ。むしろこれで惚れられる方が心配だわ」
ルナはツンデレだから多少の好意は持ってくれてるみたいだな。ソレイユ様相手でもツンデレは発動してたんだろうか?ラノベだとその辺詳しくかいてないから分からないんだよな。公式ファンブックにツンデレとかいてあるくらいだったし。
「それで布団はないんですの?」
「馬車にそんなスペースないだろ」
「馬車ってベットがあるのが普通ではないですの?」
どんだけブルジョワなんだよ。いや貴族だからブルジョワか。これから普通の感覚も教えないとな。じゃないとわがままなお嬢様が誕生してしまう。それで学校のやつに避けられたりするのは避けたいからな。
「普通のはないぞ」
「そうなんですの。それじゃどうやって寝るんですの?」
「背もたれに寄っ掛かりながら寝るんだよ」
「背中が痛くなりそうですの。せめてクッションはないのですの?」
「急いできたからない。それで我慢してくれ」
「仕方ないですの。これからは私は貴族ではなく庶民ですからこのくらいなら我慢しますわ」
庶民になる覚悟はできてるらしいな。まぁあのまま死ぬよりましだからすぐに受け止めたんだろう。
「そういえばニホン食ってどんなのがありますの?おにぎりで気になり始めましたわ」
「肉じゃがとかスシとかだな。後は味噌汁だったりラーメンだな」
どれも俺の好物だ。わざわざニホンに商売をするときに買ってきてもらってる。やっぱり故郷の味って感じがするんだよな。まさか異世界に来て日本食を食べれるとは思わなかったが。
「どれも美味しそうですわ。店は故郷にあるんですの?」
「ラーメンだけならあるぞ。後は取り寄せだな」
ラーメンは今じゃうちの国のトレンドになっているからな。いろんな所に店がある。城下町に行けばもっと美味しいラーメン屋がある。あそこは激戦区だからな。特に辛味噌が美味しい。
「それならラーメン屋に連れてってほしいですわ」
「それじゃ城下町によるか。ニホン食の美味しさに感嘆するぞ」
「楽しみにしてますの」
それからルナの前の学校であった出来事を聞いていた。貴族ってやっぱどろどろしてるんだな。階級によって関わる人が違ってくるって選民意識が高いのだろう。
「それで嫌がらせをしてきたので魔法で凍らせたらなにもしてこなくなりましたわ」
凍り魔法って結構上級魔法だよな。さすがトラストの元貴族なだけはある。才能が段違いだ。それを見込んで国王は婚約者にしたのだろう。階級も公爵だしな。
「次の学校ではやるなよ。避けられてぼっちになるぞ」
「被害がなければやりませんわ」
まぁ嫌がらせはあの学校じゃ起きないだろう。田舎で平和だし。物足りなさは感じると思うが。うちの国じゃ魔法は発展してないからな。魔法書もあまり出回っていない。いまだに古式魔法にこだわっているからな。
「そういえばどこの国から来たんですの?」
「アラスタだ」
「あの農産物をたくさん輸出してるところですの。あとは昔古式魔法で栄えたと聞いたことがありますわ」
「よく知ってるな。今じゃ魔法の方が便利だから存在は薄れていったがな」
トラスト王立魔法学院も魔法は習うが大したことは習わず、古式魔法を中心に学んでいるくらい、いまだに古式魔法に固執している。また再び古式魔法が世にでることを願っているんだろう。
「私古式魔法には興味を持っているんですの。私の魔力なら枯渇することもないですし」
それなら王立アラスタ学院に行くのがいいんだが、さすがにきついよな。編入させるにも退学してるし、なんと言っても友好国罪人の子供というのがなぁー。
「まぁうちにいくつか本があるから見るといいぞ」
「楽しみですの。その代わり魔法をお兄様に教えますわ」
「それはいいなトラストの最先端の魔法には興味があるからな。一時期大魔法師を目指していたし」
後何年かしたら魔王との戦争が始まるしな。引き出しは多くて損はない。それにルナが実力を証明すればアラスカにも認められて、英雄の一人に数えられて汚名を返上できるだろう。
「大魔法師ですか、あれは相当才能が必要ですわ。私でも無理ですの。そもそもあれは則闕の官ですの」
天才しか無理ってことか。もしかしたらエマならなれるかもしれないという淡い期待は持っている。それから魔物を倒しながら道を進んでいった。炎で焼いたりしてるとに毛も食べれていいよな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます