第3話

「それじゃー今日はお祝いだー。牛肉だぞ。神礼牛だ」


めちゃくちゃ高級牛じゃないか。よく買えたな。いや買うお金はうちにはあるが、稀少品だから買うのが難しいのだ。俺も食べたことはない。


「いいのですか?こんな高級な牛肉を食べて」 


「いいんだよ祝いだからな。それじゃー飲み物をいれてくれ。、、、、それじゃ乾杯」


『乾杯』


「わぁ美味しい。肉が口のなかで蕩ける」


「このため生きてたと言っても過言じゃない」


泣きながら食べてるよお義父さん。まぁ美味しいが。エマの家は普通の農家だから高級な料理はあまり食べないのだろう。うちは土地をなん個も持ってるからお金はそれなりあるからよく食べる。 


「酒を持ってきてくれ母さん」


「ええ、これはニホンシュと呼ばれるものよ」


「確かガラド地方にあった地域だな」


ニホン?くっ頭痛が。なにかを思い出しそうになっているが思い出せない。今はまだたと言われているかのように。


「大丈夫?ミキ」


「ああ、大丈夫だ。ちょっと頭痛がしただけだからな」


今はこんなことよりこの料理を味わおう。うん美味しい。そしてやがていい時間になったのでエマは帰っていた。ふぅー久々によく食べたわ。スシと呼ばれるものはなぜか懐かしさを覚えたが。いろんな地方料理が食べれて満足だ。


「母さん洗うの手伝うぞ」


「いいの?それじゃお願いね」


そして洗い終わり俺は自分の部屋に入って魔法書を読んでいた。印はこうするのか。そして呪符はこんな感じで。なかなか難しい言葉を使っているな。


「よしできた。明日奥の森で試してみるか」


そこは俺の家の領地なので、いくらでも魔法ぶっぱなせるのである。雷だと周囲に影響を及ぼしかねないからな。完成したので俺は寝ることにした。


次の日眩しい陽に当たりながら起きる。そして学校へ行く準備を整える。朝御飯を食べて、家からでると、エマが待っていた。


「おはようエマ」


「おはようミキ。それじゃ行こう」


そう言って学校に向かっていると、周りがなんだが騒がしい。それは学校に近づけば近づくほど大きくなる。なんか有名人でも来てるのか?王室の人間が視察にでも来てるのだろうか。


「君がエマかい」


誰だ横のイケメンと無視しようとしたが、よく見たらトラスト王国の王子ソレイユ様だった。なんでこんな国にいるんだ?昔は栄えていたが、今は野菜の輸出量が多い国でしかないはずだぞ。エマと言ったか、てことはエマに用があるのか。エマの評判はトラストまで届いているのか?


エマを見ると目が輝いている。そうだエマは面食いだった。ジュニーズの熱狂的なファンなくらいに。対象となるのがジュニーズだから今までお眼鏡にかなうイケメンはいなかったが、この王子をジュニーズ並みのイケメンだ。やばい取られる本能が訴えかけてくる。


「君を僕の婚約者にしたい。もちろんトラストの学校にも通えるようにするよ。君の魔法力と美貌は僕好みだ」


「でも私婚約してますよ」


「そこのミキのことだね。君の家の野菜は美味しいが、トラストに輸出できなくすることもできるよ」


うちの野菜の主な輸出してる国はトラストだ。それができないとなるとうちに大打撃だ。くそこれじゃなにも言えない。どうする取られるぞ。


「分かりました。婚約します」


「それじゃ転校手続きはこっちでするから君はうち馬車に乗ってトラストまでいくがいいよ」


そして王子は去っていき、去り際にエマは寂しそうな顔をした。


「ごめんね、ミキ」


そしてエマは馬車に乗りトラストまで去っていた。俺は呆然と立ち尽くすしかなかった。そしてその時ある映像が流れる。これはこの世界よりも発展してる国だ。これは前世?俺はそうだ車に引かれて転生してこの世界に転生したいと願ったんだ。


「今何日だ?」


るなの両親が処刑される日は、4月30日後一週間じゃねーか。トラストまでは馬車を使わないとか相当多いが、馬はある。だがなんと言ってトラストに行くんだ?トラストに行くまで魔物がたくさんでる。そんな危険なところを母さんが許可するはずがない。なんとか説得するしかないか。


やがて学校が終わり俺はすぐに家に帰ると、親父が神妙な顔つきで俺に近づいてきた。恐らくエマが婚約したことだろう。


「エマがトラスト王国の王子と婚約したらしいな」


原作だとこんなに無理矢理ではなく、紳士的な感じだったんたがな。俺という異分子がでてきて無理矢理じゃなきゃいけなくなったのだろう。俺の存在は原作にはない。


「ああ、それでちょっと思い出したことがあってトラストに行きたいんだが」


「ダメよ。途中で魔物がたくさんでるんだから」


母さんが真剣な顔つきで言った。やはりこれは骨がおれそうだ。そこから次の日また次の日とセット消してそんなにいうならと一週間たってやっと出発できるようになった。


まずいな、今日は処刑日だ。トラストまで二日はかかる。それまでに襲われてなきゃいいが。もと貴族ってことで肌は透き通るように透明感があるし白い美少女だ。襲われる可能性は高い。


「それじゃいってくる」


「ちゃんと帰ってくるのよ」


「心配しないでくれ。途中でる魔物のデータはちゃんと覚えている」


そして馬車に乗り俺はトラストに向かった。



















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