第2話

そして月日が経ち俺達はこの国にあるアラスタ魔法科高等学院に通うことになった。魔法科と言っても習うことは一通りやってしまっている俺達には復習でしかないが。


「はぁーもっと新しいことしりたかったんだけどなぁー。うちにトラストの学校に行くお金はないしなぁー。でもミキの家はお金あったのに行かなくてよかったの?」


「エマと一緒じゃなければトラスト行く意味ないからな」


いつ取られるか分からないし、できるだけ近くにいたい。まぁ大学校は特待制度があるから、エマなら行けるだろう。そのときにトラストに行けばいい。


「まぁ大学校なら特待あるからその時行けばいいだろ」


「そうだね。そういえば聞いた?なんか叔父さんとうちのお父さんが話があるって」


「聞いたぞ」


親同士たからもしかして婚約とかだったらいいなぁーと思っている。まぁ多分魔法学院合格おめでとうと祝われるだけだろうけど。それでも期待は捨てない。ことの歳になると婚約をすることはこの国じゃ多いからな。


「適当に学院長の話でも聞きながらその事は予測してみようぜ」


それから入学式が始まる。生徒達の視線がいたい。今エマは国のなかでも魔法力とその美貌で有名なのだ。だから俺が隣にいると誰だあいつという視線を向けられる。まぁもう慣れたが。


エマは視線に気づかない。鈍感というか単に興味ないんだろう。そして席に座ると学園長のありがたい話を聞いて、自分達のクラスに向かった。この学校はABCと分かれていて、優秀な順にABCとなっている。だから俺達はもちろんAクラスだ。それにしても学校じゃなにも学ぶことないから図書館で魔法書でも漁るか。


「この後叔父さん達との約束の時間まで少しあるけどどうする?」


「図書館で魔法書でも見ようぜ。多分古式魔法もあるだろうしな」


昔はアラスタは古式魔法が有名で発展していた。しかし短い詠唱で魔法を繰り出す今の魔法の誕生で衰退していった。未だにこの国には古式魔法師存在する。


「古式魔法かー。呪符を作んないと発動できないけど威力は魔法よりも高いと言われているんだよね。魔力をその分使うけど」


俺のいえも昔は古式魔法師だったらから呪符の作り方とか、色々ある。式神とかの作り方とかもな。だがどれも初歩的なものだから、国の図書館でもっと勉強がしたい。古式魔法も使えるようになりたいってことだ。


それからホームルームが終わり、俺達は隠形をして教室を出た。これも古式魔法のひとつだ。家にあったからエマと一緒に覚えた。そして誰にも話しかけられることなく、図書館に着いた。さすが王立学院なだけあって魔法書はたくさんある。


「それじゃ俺は雷の魔法について調べるからエマは好きなの調べてもいいぞ」


「それじゃー私は水について調べようかな」


それぞれの調べものをするために、一旦分かれた。へぇー雷って結構魔力使うんだな。まぁ年々魔力が上がってきている俺には関係ないが。それに古式魔法の方が相性いいんだよな。


少し読み司書さんに言って借りることにした。出口に向かうと、既にエマが待っていた。エマは即決で決めるタイプだからな。すぐに決めたのだろう。


「それじゃ帰ろっか」


「そうだな」


再び隠形をして、学校を出た。それにしても誰にもやはり気づかれない。やはり古式魔法も馬鹿にはできないな。もっと古式魔法を極めて古式魔法が使えるんだと証明してやる。


「それにしても王立なだけあっていろんな本があったな。その中でもも圧倒的に古式魔法の書が多かった」


「昔はそれで他国から留学生がたくさん来てたからねぇー。今は魔法の方が汎用性が高くてそっちが使われてるけど」


そんなことを話していると家に着いたので一旦分かれて俺は家に帰った。すると親父が既にいた。なぜかにやにやしている。なに好みのエロ本でも見つけたの?


「ミキは好きな人いるよな?」


「ああいるが、それがなにか関係あるのか?」


「大有りだぞ。きっと跳び跳ねるくらい嬉しいことだ」


まぁ期待しないで待っておこう。期待して思ったのと違ったら落ち込むからな。そしてしばらく経ってエマが和装で入ってきた。美しい。10人中10人がそういう程の美しさを感じた。


「さぁここに座ってな」


「それで親父エマをいれて何を話すつもりだ」


「まぁそう急かすな。二人はそれなりの年齢になっただろう。だから婚約のことを話そうと思ってな」


婚約だと!まさか俺がエマと結婚できるのか?確かにこれは跳び跳ねるほど嬉しいことだ。しかしエマはどうなんだ?俺なんかと婚約していいんだろうか?


「婚約ですか。私はミキのことどっちかというと好ましく思ってるのでそれを受けますよ。ミキはどう?」


「俺はエマが好きだ。この婚約を受けようと思う」


「これにて成立だな。いやーエマに婚約を申し込んでくるどこの馬の骨か分からないやつに渡さないでよかったわ」


婚約来てたのか。有力者からも来てただろう。それを断っていたということは本人の気持ちを大切にしていたのだろう。いい親を持ったなエマ。この人が義理の父親になってよかったわ。























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