乙女ゲーに転生した俺が推しの悪役令嬢と過ごすスローライフ

作家目指すもの

第1話

あーやっと続刊買えた。この恋愛小説。ラブコメとは違ってきゅんきゅんするんだよなぁー。それにヒロインもラブコメに比べても謙遜しないくらい可愛いし。ラブコメも個人的には好きだが、やっぱり胸キュンするする恋愛小説がいいんだよなぁー。


そんなるんるんした気分で歩いていると、前から信号無視した車がもうスピードでこちらに来た。


「え?ちょっこれ死ぬんじゃね?」


そんなことをいいながらなんか逃れようとするが、気づいたのが遅かった。車に吹き飛ばされて電柱に当たった。


「痛い」


なんか血の水溜まりができている。ははまさか高校生で死ぬとはな。攻めでこのラノベの新刊を見てからに死にたかった。もし来世があるならこの小説の世界に生まれたいな。


やべ意識が飛ぶ。このまま痛みを味わうより早く逝った方がいいかもな。そんなことを思い目をつぶった。


「お主を儂の手違いで死なせてしまった」


なんか聞こえるんだが、あれか神様ってやつか?え?手違い。何てことしてくれるんだよ。まだやりたいことたくさんあったんだぞ。胸キュンもまだ足りない。


「だからお主の生きたい世界に転生させよう。おまけもつけてな」


王子のイケメンの六人目の妻になりましたに転生するのか。それなら悪役令嬢のルナを助けたい。あの王子が一人目の妻の進言で国家転覆の容疑を両親にかけられ最後の垂れ死ぬだよな。俺はルナ推しだ。ツンデレで、王子に好かれるため努力してたからな。健気で可愛いし。そんなルナが死ぬなんて俺は一晩中泣いたものだ。


そんなことを考えていると、意識が遠退き俺は死んだ。


「オギャーオギャー」


あれ俺なんで赤ちゃんになってんだ?なにがあったか思い出せん。今分かることはなぜこんな思考ができるのか謎だってことだ。赤ちゃんならこんなこと考えられないだろ。ていうかなんでこんな知識を持っているのかもなぞだ。


「ほら落ち着いて、ミキ。ほらミルクよ」


俺の名前はミキというとかいうのか。名前でここがどこだか判断できないな。まぁ飯やお腹空いたしミルク飲もう。


おー思ったよりも美味しい。これはいい牛乳を使っているな。とりあえず笑っておくか。


「えへへ」


「貴方この子このミルクがお気に召したみたいよ。きっと貴方に似たのね。高いものを好むなんて」


どうやら俺は高級舌らしい。だがこの家は裕福なのは分かった。貴族とかではなさそうだが。家からは豪農のような感じがする。庶民だが、お金持ち的な。


「そうみたいだな。きっと俺に似てイケメンにもなるぞ」


どんなナルシストだよ。まぁイケメンだとは思うが。現状が分かったら眠くなってきた。寝よう。お休み。俺は意識を手放した。


それから月日が経ち10歳になった。そして幼馴染みがこの時期にできた。エマという美少女だ。この辺でもその評判は高く有名人だ。まぁトラストにはこのレベルはたくさんいるんだろうが、ここは田舎だしなぁー。


「ミキ魔法の練習しない?」


そう今エマがはまっていることは魔法である。なんと中級魔法を扱えるレベルだ。まぁ俺も使えるんだけど。トラストにはごろごろいそうだが。まぁイメージだがな。


「いいぞ今日は水魔法の練習をするか」


「いいねー。それじゃどっちの方が木を倒せるか勝負しよう」


「威力勝負か、負けないぞ」


『ドラコンデオー』


水の竜がズドンズドンと音を出しながら木を真っ二つになぎ倒していく。やがて止まりエマの方が一本多くなぎ倒されていた。俺の負けか。まぁ魔法の才能じゃエマには劣るからな。実践でなんでも使っていいなら勝てるが。


「ふふ私の勝ちだね」


そのときの笑みで俺はドキリとした。可愛すぎる。そう俺はエマに恋をしているのだ。仕方ないだろ天使なんだから。こんな田舎にこれほどの美少女はいないし。だからエマは同世代からモテモテである。だが俺は他のやつよりエマと親密だ。それは趣味が合ったり、魔法レベルが近いのが理由だ。


「あートラスト学校で魔法を習いたいなぁー」


トラストはレベルの高い魔法師がごろごろいてそこら辺国より最先端をいっているといわれている国だ。俺達の国でしかも田舎じゃエマの才能を開花させる学校や魔方師はいない。


「いつか一緒に行こうぜトラストに。そしてそこで大魔法師になろうぜ」


大魔法師になれば有力な貴族に仕えることができる。そうすれば大量魔術書も買えてさらに高みへいき、いつかエマと並び立つ日が来るかもしれない。


「そうだね約束だよ」


そう言って俺達は指切りをした。このときの俺は知らなかった。エマの才能と美貌はトラストでもあまりいなくその評判は時間をかけながら王都に伝わっていることに。そして王子が直に数年後来ることに。そしてある記憶を思い出すことに。


そしてそれが悪役令嬢ルナの悲劇が起き、記憶を思い出した俺が匿い、養子になりそこから二人のスローライフが始まることになる。だがその平穏な生活も王子により崩される。そして二人で壁をぶつかって壊していくそんな物語である。















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