第8話 強い意志
空気を斬るぐらいに強い斬撃音を放ちながら近寄ってくる
「え~降魔師ってこんなに弱いんだね……。」
「っく……こいつ強い……」
俺はどんどんと切り刻まれる身を耐えながら俺は後方へ下がる……。偽物の十二天魔とは比較するまでもなく操は強い……。
一方、刺客を対処している陰助も苦戦を強いられていた。刺客の悪魔は体が巨大な分、陰助の斬撃じゃ倒しにくい相手だ。陰助は相手の裏から殺すのを得意としているのでこんなに巨体な悪魔は不利と言うわけだ。
「っぐ……こ……いつ……」
陰助は巨体な悪魔に攻撃を仕掛けたがその場で捕まり大きな手のひらで潰されそうになっていた……。陰助の意識が朦朧とする中一つの影が見えた……。
「(俺って死ぬのか……。楽しい人生だった……。面白い仲間たちだった……。弟よ、こんな俺がお前の仇を取ると約束したのにすまなかったな……。)」
その影は空中からものすごいスピードで迫りくる……。
「陰助くん……何あきらめてるの? 私が来ました…… 」
優しい女性の声がしたと思ったら次の瞬間悪魔の体は半分に割れていた……。陰助は意識が朦朧としているので、その場で目を閉じてしまった。
「……陰助君、よく頑張った……。」
「そこのガキ弱いな!!」
「この悪魔完全に私の事をなめている……だがあいつに攻撃を与えられないのも事実……」
一方、大成の方では激戦を繰り広げられていた。空中に無数に広がる光の線これに当たると周りの木みたいに一瞬で体を持っていかれる……
「君も僕の血筋となれ!《
四方八方から降り注ぐ光の粒、これ一つ一つが致命傷になりかねる……。俺は弾を弾いたりよけたりして操に近づく。
「《水ノ術 龍の滝登り》」
俺は一瞬で操の懐に入りチャンスをもらった……。俺はそのまま下から上に切り上げた……。確かに首を落とした感触があったのだが操は立ち上がった。俺は思わず目を開いた。
「……危なかった……」
「頭を落としたはずなのになんで生きているんだ!」
「……勘違いをするな、お前は僕の首を斬っていないんだ……」
操の発言に俺は少々驚いた、確かに俺はあいつの首を落とした。俺は一つの仮説を立てた。《操は首を斬られたんじゃなくて首を自分から斬った》俺はこの考えが結論だとすぐに分かった。あいつの首からは眩い光の線が出ていた……。
「こんなに腹が立ったのは初めてだよ……」
操は色白の顔で俺をにらみながら今までとは違う技を放った。
「《
「(今までとは変わった技だ……術? なのか……)」
さっきとは明らかに違う雰囲気を纏うその技は俺の方に猛スピードで迫りくる。俺は自分が持っている刀でその黒色の光を弾いた瞬間俺の刀はみるみるうちに砕けていく……俺は汗が止まらなかった。降魔師=剣士でもあろう者が刀を折るなどやってはいけないことだ……。俺は幸い腰にもう一つさっき使っていた訓練用の実刀を持ってきていた、俺はそれを抜き操の首元まで迫るが……大成のふるった刀は操の首に届くことはなかった……。
「引っかかったね……。《魔術
操はそう言い放ちトラップ型の魔術を展開した。みるみるうちに俺の周りに金色の魔法陣が出現し、人間では立ち上がれないほどの重力を掛けられた。そのまま俺に別の術式を撃つ。
「《魔術
「……うぅ……立ち上がれ……死ぬぞ……」
俺に迫りくる光の矢はすぐその場所まで来ていたのだが、その矢は俺を貫くことなく消え去った。
「なにが起きたのだ! 俺の魔術が消えた!?」
「大成だったか……、お前はよく耐えた……。あとはゆっくりしていろ……」
青色の衣服を身に纏う青年……青色の目髪は何も飾られていない普通の黒髪。俺はこの人と何所かであったような気がする……俺はそう感じながらその人を見つめていた。
「十二天魔……下魔ノ四か……大成お前はよく生きている……」
「ぶつぶつ何を言っている!《黒色反転 輪廻ノ網》」
俺はさっきあいつの
「《水ノ術
「(俺と同じ水使いの方……? しかも聞いたことが無い水ノ術……実力はかなり高い……もしかして『カヤ様』か?)」
俺はやっと結論を出せた。あの方は《水ノ大聖 水戸カヤ》様だったのだ……。
水戸カヤ様が放った技は黒色反転をも打ち砕いた。俺の心配は無用だったらしい。そのまま水戸カヤ様は一太刀で操の首を討ちぬいた。
「(僕はなんで悪魔になったんだ……。僕には変わらないものがいくつかある……。僕は絆が欲しかっただけだ。僕は生まれつき病弱で外にも出れない……。僕はそんな生活がうんざりした時にあの方に出会った。【斬禅様】だ……。僕はそこでこの世界に悪魔が居ることに築いたんだ……。まぁ良い……この話はまたいつかしようではないか……強かったぞ大成……お前なら僕の願いをかなえてくれる……)」
悪魔が世界を統べる場所 あげもち @agemo1
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