第5話 自然ノ悪魔
俺たちは今まで戦った事のない前に立っただけで体が震える強さをした悪魔を今は相手をしている。この
「大成しっかりして!」
「お前ら来るぞ!」
陰助が《来るぞ》を合図にピッタリと掠露が攻撃を放った。
「《導きの地》」
掠露が悪魔術を使うと周りの木々達が俺たちのいる場所にゴゴゴゴと大きな音を放ちながらどんどん近寄ってくる。
「陰助たち、この木には触れるな!」
俺は人並み優れた危険察知能力がある。この木に触れるとおそらく根っこが巻き付きやがて窒息死するだろう。俺達も応戦する。
「時ノ術 時のはしぐれ!!」
「イヒッ、《
楓の渾身の一撃、時のはしぐれの青く光る光線が掠露に激しく命中したが軽々と掠露は《生体変化 壁の術》を使い相殺した。
「私の……時のはしぐれが……簡単に打ち消し?」
「ぼーとするな!。陰ノ術 陽炎」
「こざかしい……《生体変化 魔術》」
陰助の技の一つの《陽炎》は《生体変化 魔術》によってすべてをあいつのエネルギーにされた。正直に俺たちはこの十二天魔を相手にできるとは思わない。だってこいつは……俺達と戦いながら【上人】の位の降魔師を次々となぎ倒している……。
多分こいつは植物を得意とする悪魔なのだろう。こいつが言ったとおりに全て植物たちは動く……。
「正解。俺は植物を操ることができるんだ……。こんな風にね《
俺は掠露の放った毒斬を後方に回転しながら避けた、ふと周りを見てみると毒斬が命中した振魔師はどんどんと体が腐って行っている。俺はこれをみて頭の中で何かが切れた音がした……。
「掠露……お前をこの手で殺す!」
「いい意気込みだな……。だけどお前は所詮人間だ……俺達悪魔には敵わない」
「《
俺が放った技は空中に綺麗で激しい川の流れを再現した水が剣と共についてきた。それを思いっきり掠露にぶつけると掠露は余裕と思っていたのだろうか……右手で守ったのだが、思ったより威力が強くて掠露の右手は完全に切断された。
切断されても、掠露は悪魔だ首を落とさない限り地道に再生する。
「お前……よくもこの俺の腕を斬ったな……。ぜってぇー許さねえ……」
少し怒ったのか急に体を変化させた。
「ガキが……死に晒せ《
そう放った掠露の技は木々や地面を貫通して巨大な植物を生やした。その植物から放たれる斬撃は動きは遅いものも当たったら完全に終わると分かるぐらいには強烈だが……。俺はその巨大な植物のツルを利用し次々と水ノ術を撃ち放つ。
「やかましい……大噴火!」
「《
掠露が放った大噴火で根やら、茎や、花からも全てから毒撃が放たれる。楓は時の楽地を使いそれらを綺麗に避けて本体の所まで着くが、また状態変化をして自分を守った。
「こいつしぶとい……。こんなに攻撃をしているのに全く効いていないようだ……。これが十二天魔の力なのか?」
俺達全員は正直に言ってもう体が全く動かない……。俺達はただあいつの技を避けることに全神経を使っている。掠露は次の大技を放った……。俺たちはもうだめなのか……と思ったその時。「よくこらえたな……」と妙に冷静な声が聞こえる。
「お前たちよく耐えたな……あとは俺に任せろ」
「あなたは?」
「え!知らないの??」
俺はやけに世間知らずらしい。俺は降魔大聖に入るにも関わらずに大聖様だと言うことを知らなかった。それを知らない俺はその人の戦いぶりを見たかったのだがそれは一瞬で終わる。
「《水ノ術
それは俺とおんなじ技だった……でもその技はあいつには効かないので下がるように言おうとしたのだが、それをするまででもなかった。「終わった」と言うやけに落ち着いた口調で去ろうとする男より、十二天魔の悪魔の方を見たら首の所を一太刀で斬られていた。
「あの人は一体……」
「大成知らないのか?」
そう言うと楓が俺に優しく丁寧に教えてくれた。
「あの方は現水ノ大聖の《水戸 カヤ》様だよ!」
「まじかよ!」
心配を台無しにした俺は少し反省した。でも水ノ大聖の戦い方は本当に一瞬だったな、俺は少し希望を抱きながら神山を下山した。何時間か経ってやっと目的地まで帰ってきた。
周りを見回すと、周りの降魔隊員とは違う綺麗な服装の女性がいた、その女性は俺たちの事を見つけるとトコトコと歩いてきた。
「綾様こんにちは!」
『こんにちは!』
「あらあら、こんにちは」
それは愛嬌のある声であいさつをしてくれた10代ぐらいの女性だった、名は綾と言った。楓は俺たちに綾様の事を紹介してくれた。
「この方は現花ノ大聖の《
『これは失礼しました綾様! 』
俺と陰助は無礼をしてしまったのですぐさま謝ったけど綾様はニコっと笑ってすべてを水に流してくれた。本題に移った綾だが簡単に言うと、先ほど戦った十二天魔の事なんだが、あれは十二天魔ではなかったらしい……。
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