第4話 最終選別2

 やはりこいつは変だ。俺は思った、俺が師匠の最終試験に合格した時の悪魔はこんなには強くなかった……。こいつは本当に異能ノ悪魔なのか?。俺の横に居た白髪の少年は俺に悪魔の説明をしてくれた。


 「お前は悪魔の事を何も知らないんだな……」

 「僕には師匠が居て、その方が悪魔に関する知識をあまり与えてくれなかったんだ」


 俺は、白髪の少年に悪魔に関する知識を少しだけ伝授してくれた。


 「悪魔は、個体差がある……生まれたその個体差もあるし、弱いやつが強くなることもある……。お前は弱いやつが強くなるにはどうしたら良いと思う?」


 それはいたって簡単な質問だった。正直俺はこの白髪少年の事だからまともなことを教えてくれないだろうと思い期待はしていなかった。


 「理由は……。訓練をすること!」


 白髪の少年は俺の出した答えに少しクスッとして答えを話し始めた。


 「お前はもしかして恵まれた環境で育ったのか……。正解は殺すことだよ……。」


 俺は予想外の回答を貰い少し驚いた。殺す?そんなので強くなるのか??俺は少し疑問に思いそれに気づいたのか白髪少年は一人の少女に指を指した。


 「今戦っているあいついるだろ?」

 「うん」

 「あいつは時ノ大聖の継子の《入宮いりみや かえで》だ」

 「え!。大聖様の継子!?」


 俺は正直おどろいた。確かにあの子は最初出合った時から纏うオーラが他より違った。継子とは、大聖様直々に面倒を見ている子供の事を言うんだ。俗にいう専用弟子だな。


 「あいつの戦いぶりは確かに凄い……。だが俺には敵わないな……。」


 白髪少年は継子よりか自分は強いと言い張る。だが正直俺にはこの白髪少年が強いとは思わない。確かに、纏うオーラは他よりも少し不気味だけど……。


 「まぁー見ておけ、《陰ノ術 影の宵宮》」


 白髪少年が陰魔術を使い巨大な悪魔はみるみるうちに体が崩壊していった。連戦で疲れたのだろうか、空から落ちてきた楓を俺はキャッチした。


 「お前凄いな……」


 俺は白髪少年に感心されたが、俺には何を感心していたのかは不明だった。少女が目を覚めると俺たちはゆっくりと状況を説明した。


 「あ……ありがとう……」

 『俺たちは大丈夫だ』


 俺たちはたまたま息が合って『大丈夫だ』と言いそれを見て楓は笑っていた。俺たちは全員名前を一部を除いては知らなかったので俺たちは自己紹介をした。


 「俺は《陰道いんどう 陰助いんすけ》陰の術を使うものだよろしくな」

 「俺は《浅川あさかわ 大成たいせい》水の術を得意としている。よろしく頼みます!」


 とりあえず男二人の自己紹介をやり終わったのだが。楓は何か不思議そうな顔で首を傾げている。


 「楓さんよ~どうしたんだ?」

 「いや、始まりの四属性の一つである水を使いこなせる神童が居ると聞いたけど……。もしかして大成?」

 「え……僕が神童??そんな大げさな!」

 「私の目に狂いはない」


 俺達二人の会話を後ろから聞いている陰助はたぶん素がアホなんだろう……俺たちの会話についてこれていなかった。


 「そして、私の名前は……」

 『入宮いりみや かえで

 「なんで知っているのよ!!」

 『有名だもん』


 楓はほっぺをハムスターみたいに膨らませてプリプリと怒っていた。そうなんだ……楓はたぶんすごく普通の女の子なんだな……。と思った。


 俺たちは三人でパーティーを作ることになり、残り五日間を一緒に過ごすことになった。皆と暮らして俺は勘違いをしていたことに気が付いた。最初の印象は凄く怖かったのだがいざこうやって一緒に暮らしていくと可愛い一面もあるんだな……。と思い俺は3日目を終わった。


 ――「この俺が直々に相手になるんだ……ありがたいと思え」――


 4日目、今日もひたすら悪魔を狩る。俺達三人は上層の方で悪魔を片っ端から買っていくそれは瞬きする間よりも早く、空から降り注ぐ雨よりも早くどんどんと悪魔の討伐数を増やしていきそのまま2日が経った。


 最終日、俺達は上層から下山する準備を朝からやっていた。準備を終えて俺たちは下山を開始するが、上層では歩いているだけでも飛びかかってくる悪魔がたくさんいるの今日だけ全くいない。そこで、俺は頭の中で電気が走る。


 「皆さがれ!」


 そうすると、上空から光線が輝く。砂煙から現れたのは、はっきりと人間の形を保っている着物を着た少年だった。


 「よぉ~、こんにちは。悪魔退治隊の諸君……」


 そう着物をきた少年が俺達に話しかける。


 俺は肌で実感した。今までとは明らかに桁違いのオーラを放っていることを見なくても分かった。


 「陰助、大成……なんかこいつ今までとは桁違いの雰囲気がするわ何か変だわ」

 「俺も同じことを考えていた。あいつは異能ノ悪魔の一言だけでは済ませたらいけないな……」

 

 俺たちは皆同じ事を思っていたらしい。着物を着た少年は自分の自己紹介をし始める。


 「みんなこんにちは……。俺は十二天魔が一人、《掠露りゃくろ》だ……。お前らを狩りつくす者の名だ……」


 俺たちは心底からだの中からくる震えが止まらなかった。


 『十二天魔!?』



 

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