第31話 幸子は何処に?  



 

 隆史に捨てられた幸子は、今も精神病院に入院している。


 最近は経過も良いらしく入退院の繰り返し。隆史も幸子の事では気に病んでいるのだが、かと言って?好きでもない女性にたった一度の人生を捧げる勇気などサラサラ無い。


 今この好きな由美子を目の前に、未来に一筋の光が差し込むそんな思いで一杯なのだ。            


 そして由美子に嫌われたくない一心で、幸子との関係は口が裂けても言わないでおこうと、強く心に誓うのだ。             

 

「あぁ~?そう言えば幸子に連絡してもお母さんが今は出掛けています。ばかりなのよね?どうしたのかな~?まあ人一倍元気な幸ちゃんの事心配はしてないけどね!アッハッハッハ」


 そして…その後も、何度か友達として隆史と喫茶店で他愛無い会話の日々。 そんなある日隆史はとうとう告白した。

「あの~……その~?ユッユ由美子ちゃんボッ僕と付き合ってください!」


「でっでも~?幸ちゃんが隆史さんの事好きだって事…ハッキリ分かっているのに~?」


「大丈夫だよ~!」

「どうして~!」

「違うとこにいるらしいからさ~」

「どこよ~?どこなのよ~?」                 

「大丈夫だよ~変なところじゃ無いから」 

「そうね!幸ちゃんなら絶対大丈夫!私も隆史さんの事が、ず~~ッと好きだったの!★*⋈◍。✧♡」

 愛し合う二人は幸せの絶頂だ。


 だが?その半年後、幸子が退院して来て、夢にまで見た隆史に電話を……。


 隆史も風の便りに幸子が精神病院に入院している事は知っていたのだが、原因が自分に有ると思う後ろめたさから、今まで居留守ばかり使っていた事を反省して仕方なく電話に出た。


 すると、幸子が「会いたい!会いたい!」の一点張り。


 好きでもない幸子と仕方なく「また精神に異常をきたしては…」と思い会う事にした。

 またしても幸子との腐れ縁が始まった。幸子は大切な隆史を由美子に取られるのではと、危機感一杯で隆史に電話抗戦。

 隆史にすれば後ろめたい気持ちで一杯だ。(幸子を捨てたのが原因だから無下に出来ない)愛する由美子がいながら、また病気になられてはと思い、幸子に会いに行く隆史。


 その事はやがて由美子に……?

 そして謎の年上の女性に有り得ない事で脅迫されるようになって来た。


 謎の女性の正体は?     

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