第23話 涙するヨシ子 *⁂*
大輔は成績が優勝な事もあり、偏差値最高峰の有名私立中学を受験して見事合格していた。そして今、付属の私立高校に通学している。
現在大樹は高校一年生。
順調に勝ち進んで来たと思いきや…中学時代には人に言えない悩みを抱えていた。
成績こそ優秀だったが、同級生は皆超が付くほどの良家のお坊ちゃまお嬢様ばかり。中学生の頃はどこから漏れたのか?ごく一部の同級生達から心無い虐めにあっていた。
「や~いメ・カ・ケ 妾の子」悔しくて、よく泣きながら家に帰ったものだ。
「ママのバカ~何で、何で、普通の家じゃ無いの~?ワァ~~ン😭ワァ~~ン😭」
「何があったのよ~?言ってごらんなさい」
「ワァ~~ンワァ~~ワァ~~皆がメカケの子だって、からかう…ゥゥウワァ~~ン😭」
「まあ酷い先生に行ってやる!」
「ダメだよ~そんな事言ったって…余計に酷くなるだけだから~。何でママだけ妾なんだよ~…ゥゥウワァ~~ン😭ママなんか、ママなんか、大嫌い!ワァ~~ン」
こんな時は、ヨシ子はふとあの頃を思い出し、現状逃避をしてあの頃に思いを馳せるのだった。
キヨシ、みよは今どこに…?動物に寸分違わない生活だったが?噓偽りの無い…食べるものが無ければ皆で分け合い、飢えをしのんだものだ。(それでも…心は今の何十倍も豊かだった気がする。こんな気取った虚飾に彩られた、息の詰まりそうな偽りの世界なんか…仮面を取っ払った嘘偽りのない昔に戻りたい)
あの頃の生活が懐かしくてふっと…戻れるものなら……。
そして知らぬ間にベッドの上には大粒の涙の雫が…宏も心配して?
「どうしたんだい?」
「何でも…何でもないのよ」
「ヨシ子年甲斐もないと思うかも知れないが、俺はヨシ子無しでは生きていけぬ。愛している」
「嗚呼…うれしい💛*⋆* ⋆💋」
愛し合う二人の夜は更けて行く◍。✧♡
🔶🔷🔶
一九六〇年頃には建築ラッシュの為、山や川なども開拓されて、放浪民の集団「サンカ」は行き場を失いつつあった。
明治期には、全国で二十万人、昭和に入っても終戦直後に一万人ほどいたと推定されているのだが、一九七〇年頃になると、被差別部落やヤクザなどに溶け込み実態は泡のように消えてしまった。
それでも…どこかで脈々と形を変えて……。
山々は開拓が進み、川にもダムなどが出来て、行き場を失いつつある「サンカ」は追い詰められている。
皆で熊を仕留めたり、魚を釣ったりして生活していたのに、建設ラッシュで追い詰められ…どこに消えたのか?
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