第19話 麒麟レジャー社長は?⁑**



 人目に付きにくい寂れた温泉宿に、帽子を目深に被った紳士風の男が部下らしき若い男と入って行った。              


 その三十分位後に、かっぷくの良い眼光の鋭い男が入って行った。   

 


 何やら怪しい話なのだろうか?到底大臣には相応しくないこんな場所で、一体何を……?そして…寂れた温泉宿の一室で、小森と大野善吉総理大臣秘書の後藤秘書官は何やら話し合っている。


「小森君困ったもんだ!井上勇代議士が『賄賂は立派な犯罪許されぬ事!』と正義感を振りかざしている。何とかならんかね!危険だ!」


「私に任せて下さい!」

  

 小森は法をかいくぐる見返りに、汚い仕事を引き受けて大物政治家との関係をより強固なものにしている。

 

「頼むホレ五〇〇万円!頼んだぞ!しっかり抜かりの無いように殺せ!」


 麒麟の副社長の供述や押収資料の中から、巨額の使途不明金が有り、捜査過程において国土交通省副大臣との密接な関係が明らかになったが、麒麟の孫会社麒麟レジャ―に施設建設工事の為の資金として渡ったとの事。

 

 孫会社青木社長を訪ねるも、三日前から行方不明との事、一体どこへ?


「キャ————!」 


 またしても山奥に白骨化した遺体が!二年前にこの麒麟レジャー社長に就任した青木(イヨンス)功在日朝鮮人……。


 調べで判明したのだが、何か?怪しげな幽霊会社らしいのだが?三日前から行方不明の社長。


 一体どこに?


 🔶🔷🔶

 辺鄙な山奥で社長の無残に焼け焦げた車が見つかり、鞄に入っていた重要書類も跡形もなく焼却されていた。           


 焼けただれた車の中を調べるも社長の姿は無く、懸命の捜索の結果五キロ先の林の中で、警察犬による捜索で発見された。


 またしても掘り起こされ頭部と骨だけを発見、一体誰がこんな惨い事を?歯型の一部から青木社長と判明した。


 証拠書類と秘密を握る張本人が亡くなり暗礁に乗り上げて……。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る