第2話 洋子とあずき
洋子の父親清五十二歳は、都立大山高校の校長先生。 お世辞にも男前とは言えない『三チョット!』 チョット背が低い、チョット青白い、チョット髪の毛が寂しい、 たまに見掛ける高偏差値の、変態チックなキモイ!頭だけ異様に良い!校長先生。
その為、やんちゃな子供達からは、パフ(へんたい)校長とからかわれてもニンマリ笑う懐の広い校長先生。
そんな懐の広い校長なので、中には「キモ可愛い!」との声もあり根強い『パフ校長信者』も多いのだ。
とんでもない美少女の洋子とは似ても似つかない父親なので、ご所さんもうっかり口を滑らせている。
「本当に御両親様のお子ですか?あっ…いや……かっ可愛いお嬢さんですね~」 と、まぁこのような調子で父清も内心穏やかではない。
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ある晩の家族の会話のヒトコマにも、いかにも仲良し家族である事が伺える家族なのだ。
「洋子明日はピアノの発表会だね、ママと見に行くから」
「洋子緊張しなくていいのよ、お客様を石ころでも転がってるぐらいに思いなさい!そうすれば気楽だから」
「そうなの洋子は、あがり症だから……肝心なところで緊張して、指が動かなくなったりするのよね~」
母文子五十歳は家庭的な専業主婦の見本のような女性で、家族三人と猫のあずきの世話で大忙しの毎日。
家族三人は、見ての通り本当に仲が良く、洋子も十五歳だというのに猫のあずきも一緒に、今でも川の字で寝ている程の仲良し。
立派に成長した洋子だったが?
実は…子供の頃は到底常人とは程遠い普通ではない、本当に手のかかる娘だった。
それこそ動物の猿かリスのように動きがすばしこい、まるで野生動物のように木登りが得意で目が離せない。話す事が出来ない。
何か?訳の分からない言葉を発する、本当に手のかかる子供だったのだが、懸命な努力の甲斐もあり、あれだけ問題児だった幼少期がまるで嘘のように、成績も優秀で文武両道の才色兼備のお嬢さんに成長した。
実は…そこには思いも寄らない真実が……。
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高校生にもなると益々その美貌は際ち 洋子の通学路には、他高の男子高校生がバス停に殺到。わざと、洋子見たさに遠乗りする学生さん達が増えたともっぱらの噂だった。
美少女を描いた有名画家のキャンパスから飛び出て来たような美しく、コケティッシュな美少女 *・☆*
琥珀色の透き通った瞳はトパ—ズのような輝きを放ち、その瞳は一瞬で万人を虜にしてしまう。
そして…可愛いイチゴのような赤い唇💋⁂*⋆*
フランス人形のように手足の長い美しい姿の美少女 。
クラッシックバレ―を習っている洋子がホ―ムドレスで、たわむれ踊る姿につられて *⋆ *✰*⭐ ✶
「♪私は夢見る♪シャンソン人形♬心にいつも♭シャンソン♪」
今にも、あの当時流行った日本でも知らない人がいない「夢見るシャンソン人形」をハスキ―ボイスのイザベルが、時空を超えて歌いだしそうな錯覚を覚えるのだった。
そんな幸せオ―ラ全開の絵に描いたような幸せな家庭に……?
不幸の影が刻一刻と……。
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