存在しない私

tamaちゃん

第1話 幸せな家族

「あずき~おいで~😄」

 

「ニャ~ニャ~」😸


「アハハハ!あずきは洋子の膝の上が一番良いかい?」


「グゥ―――グゥッ!」😤

“ガブッ”


「な~んだかな~?俺には、酷い仕打ちだなぁ」

パパには散々な猫のあずきは、どういう訳か…パパにはご機嫌ななめだ。


「ウフフフ フフフ」

 そんな幸せを絵に描いたような家族なのだが?


 一九七〇年の麗らかな春の事🌸.:*:・'°☆。

 現在都心の、お嬢様学校白樺女学園に通う高校一年生の山下洋子十五歳には、不定期に想像も出来ないほどの悪夢が襲って来る。


 誰もが羨むこの美しいお嬢様には、一体何があると言うのか?


 🌸💮🌺

 この学園はハイソな良家のお嬢様達が多く、由緒正しい創業一〇〇年の、礼儀作法や帝王学を厳しく叩き込まれる、良家にお輿入れする為の学園と言っても過言ではない。


 その甲斐もあり、歴代首相の奥方様や政治家の奥様方、また大手企業の社長婦人なども多く排出している学園なのだ。

 そんな良家のお嬢様達ばかりの中においても、ひときわ目立つ美貌の洋子なのだが、洋子には不定期に恐ろしい恐怖が押し寄せて来る。


  辺り一面真っ赤に染まり…血なのだろうか?嗚呼……怖い!怖い!鋭い眼光から放たれる恐ろしい眼差し!


 過去のなんとも言えない、到底人間とは思えない、畜生にも劣る……あんな事が現実世界で本当にあったのか?


 そしていつも知らぬ間に瞳の中は、視界が見えなくなってしまう程の大粒の涙で覆われている。

(一体いつ住む世界が交差したの?分からない 嗚呼…)


そして洋子は、あれはきっと現実世界の事ではなく、幸せ過ぎる洋子に嫉妬した神様のいたずらに違いないと思い直し、またいつもの洋子に戻る事が出来るのだ。


 あれは…ただの悪夢なのだろうか……?

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