第3話 衝撃 1/2

 推しと何度も握手をした後、いよいよチェキ会。


 今日はどんなポーズしようかなあ。


 何枚も撮れるようにしっかりお金を貢いでおりますので、尚更悩む。


 アザちゃんは、同性同士ならハグとか、肩をくっつけるとかの接触OKな子だからなあ。


 うーん。


 勿論ハグが一番いいんですけどね、一つ問題があるんですよ。


 それは、私がアザちゃんガチ恋勢ってこと!


 同性ですがなにか!? 仕方ないじゃん、恋って自分の意思でどうにかなるもんじゃないでしょ!


「うーん」


 だからですね、接触系はねぇ……私の心臓がもたないんですよ。


 辛い。届かないとわかっているほど辛い恋はない。


 いや、恋を語れるほど恋愛経験積んでないんですけどね。


「咲ちゃんっ」


「はっ!」


「今日はどんなポーズするぅ?」


 ちょっと今日はぼーっとしすぎだな。


 推しに失礼すぎる。


「あーうーえーんー……ハグでお願いします」


「おっけー」


 さっき、心臓がもたないとか言ったのはどこのどいつですか。


 はい、私ですがなにか。


 欲望には勝てませんのよ。


「んじゃあ」


 優しくアザちゃんが私の胸に飛び込んでくる。


 169cmの私と、160cmのアザちゃん。


 この身長差が素晴らしいんですよ。


 推しを抱きしめられるなんてね、あのね、恋人になったみたいでね、うん。いいんですよ。


 語彙力どこいった。


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