遭遇

 少なくとも最初は、素晴らしい作品との「出合い」、もしくはそんな素晴らしい作品を書かれる作家様との「出会い」だったでしょう。

 いつから「遭遇」してしまったと思うようになってしまったのか。


 私が執筆している作品は当時、テンポが悪く冗長で、web小説としてはあまり適さないものでした。

 それを補うほどの文章力と面白さがあれば「重厚な作品」として評価もされたのですが、残念ながらそこまでの力量にも至らず。


 故に私は、「如何に短い文章で多くの情報を読み手へ伝えられるようにするか」を目指し、勉強のために詩や短編を多く読ませていただいておりました。

 突き詰めれば「俳句」や「短歌」になるのでしょうが、そこまで来ると物語の技法ではなく俳句の作法が必要となります。私が求めているものとはかけ離れておりますので、「詩」をメインに拝読しておりました。


 もしかすると作者様のなかには「なぜ異世界ファンタジーしか書いていない人が詩を読みに来るのだろう?」と不審に思われた方もいらっしゃったかもしれません。

 実際に、それを匂わせるご挨拶をいただいたこともありましたが、私が詩を好んで拝読させていただいていた理由はこういうことです。勉強であり、営業ではございません。


 そうして私自身が執筆するジャンルとは異なる「詩」や「恋愛」などを読みあさっていた時に、その作品と出合いました。

 とても優しく、一瞬で引き込まれてしまうような繊細な文章。私が大好きな動物の話だったということもあり、読み終えた時に涙が溢れました。

 「カクヨムにはこんな素晴らしい作品があったんだ」と痛感した瞬間でした。


 私は感謝の気持ちを込めてレビューを書かせていただいたところ、その方からお礼のお言葉をいただきました。作品同様、とても心優しい方なのだなと感じました。

 それから、その方の別の作品も読ませていただいたり、私の作品をお読みくださったりと、少しずつ交流がはじまりました。


 相変わらず私の長編作品の評価は伸び悩み、カクヨムでの活動を断念しようと悩んでおりましたが、こうして熱心にお読みくださる方もおられるんだと奮起し、活動を続ける決意を新たにいたしました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る