第2話 神社参拝と入学記念

「起立。礼」


「ありがとうございました」


「たくみ!早く帰ろっ♪」


側から見たら彼女そのものであるが、美玖は双子の妹。大の仲良し兄妹の妹である。その関係か、常に俺らは2人でいる。


「帰りにさ」


「あに?」


「お参り・・・していかない?」


「は?」


「私とたくみが3年間、安全に通えるように神様にお願いしに行こうよ!」


「あぁまぁ、いいよ」


木更津駅が学校の最寄り。バスは東口、神社は西口にある。駅から少し歩くが、その道中は美玖と2人で並んで歩く。


「私ね」


「もしや部活か」


「うん。チア部に入る」


「もう決めたのかよ」


「誰かを応援するの、好きだもん。たくみのことも、もっと応援したいし」


「別に俺はなぁ、美玖に家で応援してもらうだけでいいのに」


「部活に入ってもっと技術磨きたいもん!」


「そっか。じゃあ俺は家に帰って、飯でも作るか」


そう言って、東口のバス乗り場から家まで帰った。時刻は13時、お昼をこのまま逃すにはならない。急いで帰宅して、ご飯を作ることにした。


「制服のまま、応援する!」


帰りの車内で、美玖はそう言った。お参りしたとき、美玖はこう願っていたらしい。


「たくみの横で、永遠に応援できますように・・・たきゅみのチアリーダーになれますように・・・」



わたしはずっと、たくみのそばに居たい。だって、たくみがいてこそ、小糸美玖を作っている。だからこそ、ずっとたくみのそばにいたいの。そうお願いして、たくみの横にひっついたの。




翌日の夜、親族一同が集まって俺と美玖の入学記念パーティーが開かれた。料理は全て、俺が作ったものだ。


「たきゅみ、どう?」


可愛いドレスに身を包んだ美玖は、いつも持っているポンポンを手に、会場の調理場へ来た。


「可愛すぎないか・・・???」


「普段のチアとどっちがいい?」


「選ぶならチアだろ」


「あとでチアのユニフォームも着るんだから!」


19時。裕太兄さんや松間さんをはじめとした親族一同が集まり、俺と美玖の入学記念パーティーが始まった。


「えー皆様、本日はお集まりくださり誠にありがとうございます。本日の主役、そして本日の料理を調理した、2人をご紹介いたします」


「こんばんは。小糸匠です。そして」


「美玖です!」


「今日は、僕たちのためにとてつもなく大きいパーティーにご参加くださり、誠にありがとうございます!僕の料理がお口に合うかはわかりませんが、ぜひ最後まで楽しんでください!」


「それでは・・・!私とたくみが、最後まで無事に卒業できることを祈念して・・・!」


「かんぱーい!」


そうして、入学記念のパーティーは始まったとさ。これから3年間、美玖と二人三脚で頑張るぞっ!


たくみ!3年間応援してるからね!フレフレ!!


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