身も心も癒してくれる楽園があるというのでイッてきました
早瀬タカオ
第1話 葛藤
「そこに愛はあるんか」俺の中の大地真央が囁く。確かに愛はないよな。あそこには。だが、自分でするのも物足りなくなってきている。実物に触れたい。触れるには行くしかない。「そこに愛はあるんか」また俺の中の大地真央が囁く。そう、そこには愛がない。でも、そこに行けば、俺の欲望は満たされる。
しかし、そこで得られるのは一時の快楽だけ。ただ、それだけだ。俺のリビドーは満たされるだろう。問題は、その後に襲いかかる虚無感だ。これが付き纏う。
あとは金の問題だ。そこに遊びに行くのに金がかかる。それも決して安くはない金額だ。それだけのお金があれば、うまい棒を二千本は食えるし、自分が食べたいものは大抵食える金額だ。こんな遊びに消費していいのか。でも、実物に触れたい。触れて果てたい。こんな葛藤が週に二、三回ある。
「ええい、ままよ!」俺の中のクワトロ・バジーナが囁く。虚無感がなんだ。金がなんだ。また明日から頑張って働いて稼げばいいじゃないか。俺は俺の欲に従うだけだ。今日の出来事は明日への活力となるのだ。こうして男は欲に導かれるまま夜の街へ繰り出すのであった。
身も心も癒してくれる楽園があるというのでイッてきました 早瀬タカオ @hayase_takao
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