第8話 ※BL談義

 次の日。

「ちょっと話があるねんけど」

「何だ、薫」

「今度、わいの所属してるサークルでBLゲームを作ることになったんやけど」

「え? 何だって?」

「だから、BLゲームを作るって」

「BL?」

「ボーイズラブのことやで」

「お、おま、何でこんな、これから決戦っていうシリアスな時に、何てもんぶち込んでんだ」

「で、そのゲームに登場するキャラクターを考えるねんけど」

「何か、こんなこと前にもあったな」

「あの時は乙女ゲームやったな。皆のお陰で無事、コミケで売れたで」

「そう。それは良かったわね」

「じゃあ、皆で考えよか」

「僕も?」

「烏丸君も強制参加よ」

「白鳥さんが、そう言うなら」

「で、どんなカップリングがええと思う?」

「カップリング?」

「キャラ同士の組み合わせのことやで」

「犬系男子×猫系男子は?」

「ええね! 採用や」

「犬系男子と猫系男子って、どんな感じなんだ?」

「犬系は、すごく懐いてくる感じで、猫系がクールに受け流す感じ」

「白鳥さんは、どっちが好みなんだい?」

「私は猫系ね。犬系みたいにグイグイ来られても困るわ」

「分かった。猫っぽく、にゃん」

「あざといな」

 さすが猫かぶり烏丸。

「あざとくて、ごめん」

「何かムカつくな」

「まあまあ。他には何かあるか?」

「スパダリ×元気っ子」

「スパダリって何だ?」

「スーパーダーリンの略やな。何でも助けて守ってくれるような旦那様のことや」

「そんな言葉があるんだね。知らなかったよ」

「他には?」

「敏腕弁護士×腐男子社長」

「職業で来たな」

「どんなシチュエーションがあるんや?」

「会社の顧問弁護士に腐男子社長が恋をする純愛ラブストーリーよ。社長には忘れられない初恋(男)がいるのだけれど、その人は死んでしまった。その傷を弁護士が癒していくのよ」

「やけに具体的だな」

「いつか会えるかもしれないわよ」

「社長にか⁉ 何だその伏線」

「ええもん聞かせてもろうたわ。ありがとうな」


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