第3話

2日目

「今日は大英博物館を一日かけて巡るわよ。本当は一日でも足りないくらいなのだけれど、頑張って一日に濃縮するわ」

人だかりが出来ているところを少し待って見てみると、石板があった。

「ロゼッタ・ストーンよ」

「ああ、あの有名な」

 パルテノン神殿彫刻群の部屋に入る。

 イースター島のモアイを見て、二階へ。

 ミイラがあった。人型の他に猫の形をしたものも。

「ねえ、死んだらミイラになりたい?」

「僕は死んでからも誰かに見られ続けるのは嫌だね」

「おれも同感だぜ」

「わいは死んだ後も子孫が墓参り来てくれるのは嬉しいけど、ミイラ化は嫌やなあ」

「そうね」

 昼を完全に過ぎた頃。

「さあアフタヌーンティーといきましょうか」

 大英博物館の中でアフタヌーンティーとは乙なものだ。席に着いて、しばらく経つとセットが運ばれてきた。マカロンやケーキ、チョコタルト、スコーンなどなど。どれも美味しく頂いた。


夜。白鳥邸にて。夕食を食べ終わった頃。

「そういや、何で突然、イギリスに来たんだよ」

「お祖母様が私の下僕を見たいと仰ったのよ」

「おれの査定ってことか」

「まあ、そう気を張らずに、楽にしてなさいな」

 白鳥のお祖母さん、何か底知れない怖さがあるんだよなあ。

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