第34話 生まれるホムンクルス
脊谷政宗はすべてのオーラで近藤彩の体を包む。
そして全力の『解』。まずこの動力たるホムンクルスさえ解析してしまえばなんとでもなる。
他の生徒たちは少しずつ意識を取り戻し始めている、急がなければ。
所詮は残滓、ホムンクルスだ。
意識の行き来によって生まれた癌は、まるで一つの人格のように留まり続けるだけの病気。
そのはずなのに。
いっさいこちらのオーラが侵食できない。なぜ、こんな出来損ないの魂が悍ましいほどのオーラを放つことができるのか。
脊谷のドス黒い波は、ホムンクルスの白い波に飲み込まれた。
それはそれは。
いとも簡単に。
そして生まれるのだ。
頭の中に、平家丈晴のホムンクルスが。
少しずつ少しずつ。
脊谷政宗の頭の中に彼の声が繰り返し響く。
――お前は、不要だ
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