ふた組の双子の少女たちと、彼女らの父親たるとある死神のお話。
心温まる現代ファンタジーです。
死神が家長を務めるちょっと訳あり風の家族の元に、ひょんなことからやってきた呪いの人形。
当然、平穏無事に済むはずもなく、そこから巻き起こるひと騒動……といった筋の物語。
死神や呪いの登場するホラー風の設定で、当然ハラハラさせられる山場もあるのですけれど、でもお話そのものには優しい日常ものの味わいがある……というのがまさに本作ならではの素敵なところ。
魅力はやはりなんと言っても登場人物たち。
なんと双子の少女がふた組も! 紹介文に書かれている通り、溢れ出る〝ヘキ〟をそのまま叩きつけたかのような設定がとても楽しく、キャラクター小説らしいライトな魅力に満ち満ちていました。
もちろんお話の展開そのものも好きです。出来事の起点から解決まで、しっかり物語してくれることの楽しさ。
キャラクター自身の魅力はもとより、彼らの活躍や行動そのものを眺めることが嬉しくなってしまうお話でした。