2
この建物は、ひどく歪なところだ。まるで迷路のように、不規則に壁が並んでいる。人のいる気配はない。
黄色い壁、黄色い天井、雑音を放つ蛍光灯……。
いったい全体、なんてバカみたいに大きな施設なんだ! せめて、非常口の場所くらいは、分かりやすくしておくものだろう。
こんなところに居続けたら、まるで感覚が、麻痺してしまいそうだ。
腕時計は、文字盤が割れていて使いものにならない。今となっては、ありがたいことだ。何時間歩いたとか、そういったことで絶望しなくて済む。
そうして、あてもなく彷徨う。
出口はどこだ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます