第6話 思いつくかぎり

 気づくと、じぶんの部屋だった。そこに立っていた。

 マーガに貸してもらった、あの変な靴を履いている。

 窓の外を見ると、夕方だった。スマホの時計を見ると、あっちにいってから、二時間経っていた。

 とりあえず、靴を脱いで、窓の枠に置いた。で、しばらく、そのまま、ぼんやりした。でも、ふと、正気にもどって「うわー」といった。「げろ」と。

 それか、なしくずしで、一週間、スマホで延々と調べた。どうやって、あの、破壊蜘蛛をやっつけるか。いや、もちろん、あんな、ふしぎな生き物は、こっちにはいないし、やっつけかたが一発ケンサクにひっかかるはずもない。

 先生にきいてみたい。けど、きいたら、とくべつな保健室へ連れゆかれるのもと考えると、かんたんにはきけなかった。ずっと、スマホでキーワードを少しずつ、変えたり、足したり、引いたりしながら、ケンサクした。

 図書館へいって、昆虫図鑑も読んだ。知らなかったけど、この世には、蜘蛛だけを 書いた専門書まであることを知った。

 とにかく、思いつくかぎりのものを調べに調べた。

 そうしているうちに、一週間が経った。

 で、時間になる部屋にいると、虹につつまれた。

 彼女に貸された靴を、はいたまま。

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