第十四話

どうしよっか…。 別にこの程度の魔族なら止める事も倒す事も出来そうだけど。


「おい! そいつは生け捕りにしてくれ! ウチの暗部にでも尋問させるから!」


情報が欲しいのは確かにそうかも! 僕も新しい従魔欲しいし!

出来ればもふもふしてる奴でお願いします。

一度フェンリルと仲良くなって試してみたんだけど、あれは魔物じゃなくて神獣だったから僕の力が及ばずにテイム出来なかったんだよね。


「分かりましたー!!!」


「うふっ、たかがダンジョンのモンスターをテイムした程度でイキがってるんじゃないわよ」


『『たかがダンジョンのモンスターだと?』』


あぁ、この二人の琴線に触れちゃったよ?

どんな事されるか僕は知らないよ。


『タマシイクラウダケナンテモッタイナイ! ニクタイヲモモテアソンデタノシンデヤロウ』


三人だった。


『我はダンジョンの魔物では無いし高みの見物をしておこう。 しかし、彼らほど高貴なる存在をモンスター扱いとは…』


うん、それは僕も思うよ。

でもね、肉体は残してあげて欲しいかな。

それと、天馬君はいつから出て来た? ちゃんと戻って貰ってたよね?

僕の視線に胸を張っているけど、褒めては居ないからね…。


『おい、あの女、魔族にしては弱いな。 不思議なものだ』


ん? 弱い? どういう事だろうか。

十分放つ魔力は魔族のものだけれども…。


にしてもテイマーである僕から見てもこの魔族は種族が分からないなぁ。

言葉で言うなら雑種みたいな感じかな。

中には魔族だけでなく人族やエルフなんかの血も混じっていそうな気配はある。


「何よ! 憐れみの目? ハッ!」


そう言った瞬間受付の女だった魔族は白き炎に包まれ、燃えて行く。


「アツイ! アツイ! アツイ!」


「んー。 やっぱり悪意のある者には聖女の使う聖魔法が一番効くわねぇ?」


「あ、あれ?」


その声は僕にとって思いもかけないものだった。

山の中に居たんじゃないのかな…? どうしてここに?


「あら? 不思議そうな顔ねぇ。 あそこの街のギルドに来るってお告げがあったから通り道のここに来てみたのよ。 あの馬鹿にも久々に会いたくなってね。 貸したお金も返して貰わないといけないから…。 で、私の大事な大事な息子が変なのに絡まれてたってワケ」


そう、我が母は聖女ながらどこか若干ギャルっぽさのある変な人なのだ。


「あ、そうそう、そこの魔族ちゃん。 殺しはしないわよ? ちゃんと教会で情報吐ききるまでとことんやっちゃうからよろ~」


「よろ~じゃないよ!」


「いいじゃん、どうせ上位の聖職者なんて回復魔法どころか聖属性魔法使えるんだし? 死なない限りかすり傷みたいな?」


言われてみれば、それもそうか!


『主様がおかしいのは遺伝であったか』


『見てると頭が痛くなりそう』


『タマシイトルマエニコッチノタマシイガナクナル』


え?どういう事?

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