第九話
その日は王女殿下達も急ぎという話だったので、そのまま解散となって宿に戻った。
色々聞かれてしまったが店主は優しくモフモフ達も非常に懐いてくれて可愛く、夜には寝室まで潜り込んできた。
気付いたらモフモフに囲まれて寝てしまっていた。
モフモフは凶器になりえるなぁ。
朝支度を終え、店主さんの元へと向かう。
「お! おはよう! 良く寝たかい?」
「お陰様で沢山寝ました!」
「それは良かった。 朝飯はどうする?」
「食べて行きます!」
「座って待ってろ」
大人しく座って待つ。
気付くとここの従魔達や知らない子達に囲まれていた。
なにこれ、本当にモフモフ天国じゃないか!?
いや、落ち着け僕! これで冷静さを失ってはテイマー失格だ!!!
「出来たぞ…ってなんでこんなに囲まれて…?」
「わ、分かりません凄い」
「なんだか分からんが、丁度良い。 これが従魔達用の飯なんだが。 あげといてくれ」
「は、はい」
ちょっとだけ、不貞腐れて無かったかな…?
今日は早く冒険者ギルドに行きたかったからはやめに食べてしまおう。
美味しすぎて手が止まらない。
正直母さんの程では無いけれど、美味しいなぁって。
「美味そうに食ってくれるじゃないか!」
「凄く美味しいですもん!」
「嬉しいじゃないか! だが、そろそろギルドへ行く時間じゃないか?」
やばい! もうそんな時間か!
残ったものをかき込んで冒険者ギルドへと走る。
全速力で走り抜ける!!!
「朝に走るってのは風になったみたいで気持ちいな!」
周囲の視線が突き刺さる。
あれ? 僕何かしているかな?
「コラー! そこのアンタ! 止まりなさーい!」
「え? 僕…ですか???」
「そうだ! お前だ!」
「な、なんで止められたんですか…?」
「走るのが速すぎて周囲が怖がっているだろう! 危険だから止めさせてもらった!」
「あっ、ごめんなさい! 冒険者ギルドへ向かおうと思って走ってました」
「冒険者ギルドに…。 呼び止めて悪かったが、今後は速度に関しては気を付けてくれ」
「はい、申し訳ないです…」
ちょっといつものペースは速すぎたみたい。
馬車を追い越すのは駄目って覚えておこう。
まぁ普通の人はこの速度で走らないから危ないのは事実だね。
軽く走ってギルドへ向かう。
途中に色んな露店が沢山あって誘惑に負けそうになったけど、僕は誘惑に勝った。
勝ったぞ!!!
ギルドの目の前でガッツポーズをしていたせいでガリウスさんに見つかってしまった。
「何やってんだお前…」
「いや、あの…はい!」
「返事になってねぇよ!!! カード出来てるから受付行ってこい」
「はい!」
僕はルンルン気分でカードを貰いに受付へと向かった。
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