第八話

ガリウスさんに耳を引っ張られながらギルドの端っこに連れていかれる。

王女殿下達は【猫馬】 達と戯れている様で安心だ。


「おい、どうしてあぁなっているんだ! 普通なら自分の主人以外の命令以外は聞かないだろ!」


「はい、ただ【猫馬】 達は数が多かったので全部正式なテイムを行っていないんですよ。 さっきは他の目があったから言わなかったけど、王女殿下に資質があればあの子達を王女殿下と契約させる事も出来ますよ?」


「お前なぁ…」


呆れられてしまっているが僕は何かしてしまったのだろうか!?

まさか金ピカの【猫馬】 の方が良かった?


「一応お前の想像してる事とは全然違うと思うぞ???」


えぇ!? 僕の心が読まれてる!?


「金ピカじゃない!?」


「当たり前だろ馬鹿!!!」


「何事ですか?」


「「い、いえ! なんでもございません!」」


「それよりも見て下さいこの子! こんなに懐いてくれたんです!」


えええええええ! 肉以外興味無さそうなあの【猫馬】 が!?

僕よりもテイマーの素質あるんじゃないかな?

あの騎士の人も【猫馬】 と仲良さそうにしてて凄いな…。

この地域なのか、この人達なのか凄いとしか言えない。


「す、凄いですね。 普通の馬より全然速いのでおすすめですよ?」


「えぇ、本人もその様に仰っていましたわ」


「え、会話出来たんですか?」


「? えぇ」


「失礼ですが、テイマーの素質がありますよ…」


「…えぇっ!?」


驚き方が小動物かっ!

【猫馬】 も一緒になって驚くな!

動きがぴったり過ぎて怖いよ!?

あれ? これってテイマーじゃない可能性はあるかな?


「王女殿下、もしよろしければ今、あの外に飛んでいる小鳥と会話をしようとしてみて下さい」


「むむむ! 出来ませんわ」


「わかりました。 王女殿下の適正は従魔騎士です」


「「「従魔騎士!?!?」」」


「従魔に跨り敵を討ち倒す、騎士です。 派生形で竜騎士等がありますよね! もし竜をテイムしたら竜騎士になれますよ」


王女殿下はその場でフラリ、フラリともつれはじめた。


「私が、戦闘要員…うふふ、それは使えない子と言われても致し方ないですわ。 でも適正が分かったのならこれでここからは私の独壇場ですわ…。 エトワール!」


「はっ!」


え? 何が始まるの!?


「私、第二王女ルティナ・アルディバス並びに」


「第二王女が護衛騎士エトワール」


「その名において、マルク殿に関して他の王族、貴族が手出し出来ぬ様こちらで手を打たせて頂きます」


えええええええええええええええ!?


「良かったじゃないかマルク!!!」


良くないよね? これはこれで先輩達から僻まれないのかな!?

周囲を見渡すと拍手と凄いキラキラした眼差しの先輩方が…。

これはこれで怖いのでやめて頂きたい…。


「王都の危機が去り次第、この場へと戻って参りますわ その際には改めて…。 では!」


改めてってなに!!!

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