星月夜

@enutanien

星月夜

核戦争が起こり、ようやく核の影響が落ち着いてきた頃私はコールドスリープから目覚めた。


かろうじて幾つかの建物は残るが、薄汚い核爆弾により何もかもが更地と化した。

爆発前の人々の忌まわしい喧騒も、今となっては

朝の陽光に照らされ、透けたカーテンから見える想い人のように恋しく思えるようになってしまった。


とても静かだ。

今夜もまた私は死ねないのだろう

主役である美しく蒼く光り輝く月を引き立てるかのように、


互いに囁き合う星屑が私を今際の時から引き留めるのであった


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

星月夜 @enutanien

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ