第21話 結婚式

結婚式当日

早朝、彼はまだ寝ていた。朝食を用意して

彼の寝顔にキスをした。

「くるみ、もう行く時間?」

「うん、先に行くね」

彼がベッドから起きて私を抱きしめ

「くるみ愛してる」と優しく口づけをした。

私はルナを実家に預けて式場へ向かった。


私は緊張していた。

メイク、髪をセットしてドレスを着る。

横には白い百合のブーケが用意してあった。

係員の方が

「とてもお綺麗ですよ」と微笑んでくれた。

「ご主人様がお見えですが、入っても構いませんか?」「はい、大丈夫です」と答えた。


彼が入ってきた。私を見るなり

「くるみ、とても綺麗だ。僕はまた君の虜になりそうだよ」と彼はとろけそうな顔で甘く囁いた。

私は恥ずかしくて、顔が真っ赤になった。

係員の方も仁の発言を聞いて、顔を赤らめていた。

「ありがとう。仁も王子様みたいで素敵だよ」

と微笑んだ。

「そうかな、くるみにはかなわないよ」

と言って私を抱きしめた。


「お時間になりました。こちらへどうぞ」

「ご主人様はこちらから中へ」

「花嫁様はここでお待ち下さいませ」

私は緊張と恥ずかしさでドキドキしていた。


「くるみ、綺麗だよ」と父がウルウルしていた。

「お父さん、ありがとうございます」

私も泣きそうになった。


「花嫁様はこちらへ。お父様はこちらに。

音楽が鳴って扉が開きましたら、歩き出して下さい」


パイプオルガンが流れ扉が開く。

私は父と二度目のバージンロードを歩く。

参列者の拍手が聞こえる。前には仁がこちらを見て待っている。

私は緊張していた。父から仁へ。

私達は神父様に誓いを立てて、口づけをした。

二人はゆっくり参列者に挨拶しながらバージンロードを歩いた。

扉が開き、フラワーシャワーやライスシャワーを浴びて、私は恒例のブーケトスをした。

女性達がブーケを求めて集まっていた。

ブーケを受け止めたのは一条さんだった。


引き続き、屋外でお披露目パーティーを開催した。

彼と私は両親に挨拶をした。

「今まで見守っていただきありがとうございました。これからは二人仲良く過ごしていきたいと思います」と一礼した。

4人とも笑顔だった。


順番にテーブルを回った。

あかりには「お姉綺麗だよ。仁君めちゃくちゃ王子様じゃん。幸せになってね」とはしゃいでいた。


遠山さんには「お幸せに」と笑顔で祝福された。


理香と佐和子は「彼イケメン過ぎてびっくりだよ。羨ましい」と悔しがっていた


健吾は「俺の時より綺麗だ。幸せになれ」と祝福してくれた


橘さんは「お似合いだ」と一言


一条さんは「幸せになって下さい」とブーケを握りしめていた。


たくさんの人からの祝福を受けて、とても幸せでいっぱいになった。


式も無事終了して、そのまま役所に行って婚姻届を提出した。

「やっと夫婦になれた」

と彼は満面の笑みで私を見つめ抱き寄せた。

ルナを受け取り自宅へ戻った。


長い一日だった。

二人は疲れてそのまま寝てしまった。


清々しい朝だった。

彼も私もグッスリ眠っていた。ルナが私の顔を舐めていた。起きないので仁の顔を舐め始めた。

「くるみ、そんなに舐めて僕をどうする気?」

と言って目を覚ました。

彼はニコッとして「ルナも可愛いよ」と抱っこして

ケージの中へ入れた。

「くるみはやっぱり可愛いよ」

と言ってチュッとした。

「うん?仁、おはよう」と私は目覚めた。

「あれ?ルナは」「お部屋だよ」


「これから夫婦の営みの時間なので」と言って

彼に押し倒されて二人は幸せな時間を過ごした。



1年後、橘先生と一条さんが結婚した。

出来ちゃった結婚だった。

その後男の子が生まれた。


3年後、仁は病院の院長になった。


彼と二人で歩む道は私にはかけがえのない宝物のような出来事ばかりだ。


仁、これからもずっと一緒だよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る