第4話 矢井田さん③

 授業を一緒に受けると約束してから、1週間後、正式に授業選択を決める前に、大学では宿泊オリエンテーションという1泊2日の泊まりで、様々なガイダンスとともに、授業の選択について教えてもらったり、同級生の女の子と仲良くなる事を意図した活動だ。男子はどうでもいい。大学の歴史や理念についての研修もあるが、レクリエーションでは、先輩のお姉さん、同級生の女の子と触れ合う事ができる。



 大学は何という心躍るエロいイベントを用意してくれているんだ。男子校でもイベントは好きだったが、期待のレベルが違う。男子校のイベントなんか、水泳の遠泳や山の強歩大会、マラソン大会とか楽しいけど疲れるだけのイベントばかりだ。



 聖司は女の子を見るのに夢中だったので男子の友達がまだいない。男子同士でエロトークするのも楽しいよな。泊まりは男子だけの部屋だから、そこで友達できるだろう。



 そんな事を考えている内にオリエンテーションの最初の大学の教授からの長い話の連続が終わり、次は先輩と女の子とのレクリエーションだ。お風呂入って、食事の後集合だそうだ。



 お風呂では、柔道部だった聖司の身体の大きさにびっくりされ、久しぶりに男子校のノリができた。少しのぼせながら、食堂に行くと、風呂上がりの女の子が。化粧もしているみたいだが、薄くて普段の服より生活感があり、エロくて良い。


「聖司くん、一人?一緒ご飯食べよ?」



 あずさちゃんだっ!ゆっくり振り返ると少し髪の濡れた、ジャージ姿でピッタリしたTシャツを着ていた。可愛い。髪が少し濡れてるてエロいな。


「髪の毛…濡れてるけど大丈夫?風邪ひかない?」


 聖司は濡れた髪を触って確認する。指についた水気からもいい匂いがする。


『だ、大丈夫だよ。乾かすの時間かかるし、ドライヤー少なかったから。』


「そうなんだ。長い髪の毛大変だね。」


 聖司はあずささんの髪をなでながら話する。


『聖司くん、か、髪の毛は大丈夫だから、ご飯食べよ。』


「そ、そうだね。ごめん、触ってしまって。」


『ううをわ、大丈夫。男の子に初めて触られてびっくりしただけ。』


「ごめん。お風呂で男子校のノリをしてたからその勢いで。」


『男子校のノリって?』


「いや、何でもないよ。」


 あずささんに男同士で身体を見せあったり、長さを比べたり、サウナの我慢比べで倒れそうになったとか話すのは流石に恥ずかしい。


『そっか。バイキングだね。選ぼう。』


「う、うん。」


 少し残念そうだな。ま、話せる事だけは話そう。聖司は一緒にバイキングを選びながら、お風呂の話しをする。身体の自慢大会とサウナの我慢比べくらいだ。恥ずかしい所は端折った。あずささんは話が聞けて嬉しそうだ。



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