第24話 広瀬さん

 大学3回生になりゼミが始まった。ゼミは北海道の研修旅行でお世話になった先生の所だ。男7人に女の子9人だ。それぞれ個性豊かでなかなかまとまりはなかった。



 ゼミでは定期的に飲み会や旅行などを予定して行く。その中でも中心がイベント好きな聖司とその友達、仲良し3人組の女の子の5人だ。あとは参加したりしなかったりだ。聖司はその3人組の中の1人、広瀬瞳さんが気になっている。


 広瀬さんは少しお姉さん肌で住んでいる土地柄少し言葉が乱れると怖いが、実際はとても優しい。でも、よく男の前で「チンチン電車」と言って男の反応を楽しんだりと必ずエロいと思う面を持っている。ギャップが可愛い。外見も身長150くらいで小動物みたいな感じだ。


 しかし、いつも3人で行動しており、みんなとは話すが、2人きりで広瀬さんから話しかける事は勉強の事だけだ。


 こんなに聖司は色々な経験をしてきたが、今まではエロいオーラで引き寄せた感じがするが今回は全く効果がない。


 聖司は勇気を振り絞って、広瀬さんにカラオケ行かない?と聞くと、いいよとの返事だ。やった!やっと2人だと思ったのも束の間だった。

「なら、他の人も誘っとくね。よろしく。」


 まじか。聖司は一瞬で気持ちが乱高下した。聖司はゼミの男の方をカラオケに誘った。ほとんどのゼミ生が参加と言う、今までのゼミの活動で1番多い参加人数だった。広瀬さんは聖司の気持ちを他所に流石と嬉しそうに楽しむのであった。ま、楽しむ可愛い姿を見れるだけで幸せだ。


 広瀬さんとはこれ以上進展することなく、4回生となり、ゼミの活動は卒業論文と就活で活動は少なくなった。ゼミで会っても仲良し3人組は集まっており、話すのは数人でしか無理だった。


 聖司はいつも、その悲しさを明日香さんの身体で癒すのだった。明日香さんの感じるポイントはもう熟知しているので、そこをうまく責めながら明日香さんに癒される。明日香さんは、今日の聖司くん凄いねと話してくれる。明日香さんとするのは楽しいが、心の隙間は埋める事は出来なかった。



 明日香さんは、卒業して子どもの福祉施設で働きながら、多くの人とするのを楽しんでいた。



 そのまま卒業を迎えて恋愛は難しいと感じた聖司であった。60歳になっても独身なのは、広瀬さんの事を引きずってたのかは、聖司にもわからなかった。よし、働きながらも明日香さんみたいに福祉の仕事はがむしゃらに、付き合う事も全力でやって行くぞ。

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