第20話 今村さん①

 北海道の研修旅行の運転でドライブが趣味に聖司は、親が使っていた車を譲ってもらい、ドライブを楽しんでいる。たまに明日香さんも乗せる。今回は2人きりなので明日香さんは聖司が運転中でも助手席から、手を伸ばしてチャックを開けて出して咥えてくる。たまらなくなると、3列シートで倒すとフラットシートになる車なので、車を出入り口から1番離れた駐車場の隅に止めてイチャイチャする。



 そんなドライブをしながら、根が真面目な聖司は普段なら行きにくい所にある福祉施設にアルバイトに行く事にした。燃料代等も必要だが交通費も出るし、学生でも働く事ができるしドライブも出来るしいい感じだ。その施設にはもう1人アルバイトとして大学生が働いていた。名前は今村由貴さんだ。聖司は今村さんから仕事内容を教えてもらいながら、話をした。仕事内容は入所してる利用者の日常の支援だが、職員の補助みたいな感じだ。今村さんは160くらいで同い年だ。ショートボブで笑顔が可愛い。八重歯とエクボがとにかく可愛い。



 仕事は真面目にして、勤務時間が同じ今村さんとは休憩時間に話をする。今村さんはこの施設まで徒歩なので時間がかかるらしい。住んでるところも近いし車で一緒に行こうと伝えると可愛い笑顔で受け入れてくれた。



 今村さんとの通勤ドライブも1ヶ月くらい経ち、聖司くん、由貴さんと呼び合うようになった。由貴さんとはエロい話はなく、福祉の話や好きな漫画やアニメの話も気が合い、とても楽しい。聖司は由貴さんを休みの日にドライブに誘った。由貴さんはいいね。とOKしてくれた。なんだか今までにないプラトニックな関係だ。まだ付き合ってないけど。この可愛い笑顔を見てるだけで幸せだ。



 次の火曜日。2人は授業もお互いないのでドライブに出かけた。場所は鹿がたくさんいる所の山の上だ。街が一望でき、ドライブには最適だ。


 今村さんを迎えに行き、話をしながら目的地へ向かう。途中、世界遺産のお寺等を見て回ったり、鹿にせんべいをあげたりした。せんべいを買った途端に鹿が寄って来て鹿に囲まれて困って焦る由貴さんの姿は尊かった。手を繋ぎ助け出した。由貴さんは息を切らしながら笑顔で「怖かった〜でも楽しい」と八重歯を見せる。


「由貴ちゃん、八重歯とエクボ可愛いよね。」と聖司が言うと「八重歯変だよ〜歯並び悪いもんと」口をムッと閉じる。可愛すぎる。もうちゃん呼びになってしまった。聖司は八重歯とエクボのかわいさを熱心に説明し続ける。由貴ちゃんはもういいよ。わかったと照れている。結構時間経っていた。

【男子校あるある 周りがみえなくなる】



 車にまた乗り山のドライブウェイを進む。由貴さんは八重歯の話からずっと頬を染めている。ゆっくりと運転しながら景色を楽しむと由貴さんも落ち着き、いつもどおりの頬に戻った。頂上に着き、車から降りて草原に座る。平日なので誰もいない。景色を隣同士で楽しんでいると…



由貴ちゃんが恥ずかしそうに話し始めた。

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