第14話 黒山さん①

 スウェーデンから帰って、その時から何故か俺の周りには黒山さんと言う女性がよくいる。いると言っても学校ではなく、俺の家にだ。



 スウェーデンの研修旅行で確かに数名の後輩の女の子と連絡先は交換したが、黒山さんは中でも積極的だ。



 積極的だか家にいるのは、彼氏と喧嘩して別れるかどうしたらいいですかと、ずっと愚痴を話したり、この鞄貸してくださいよと、ブランド鞄を持って帰ったり、バイク乗ってなかったらください。等とうざい事ばかりで男女2人で同じ部屋なのに、そんな事は全くない。



 黒山さんはそんな時は安田先輩と可愛い声を出しておねだりしてくる。彼氏いるのに他の男に可愛い声を出すなと思うが、言う事はできない。

【男子校あるある 男気はあるが、弱い。】


 俺も家いつでもいよとか、鞄使っていいよとか、バイクもナンバープレートを変えてあげたりとしてしまったからだろう。

【男子校あるある 女の話を断る事はしない】



 麻里をより恋人に近付くために家に呼びたいし遊びたいが、先にいつも黒山さんが予定を埋めてしまう。



 この日も黒山さんは予定として、家を2日間抑えられた。家に来た黒山さんは今日はとまるから、お風呂沸かして。服貸して。ご飯食べよと俺をこき使う。だけど全て動いてしまう。

【男子校あるある Mっ気が強い】



 お風呂上がりも特になんともなく、ご飯を食べ、普通に、愚痴を聞きながら、布団を離れた所にひいてあげて寝るだけだ。



 ただ一つドキッとしてしまった事がある。黒山さんはスウェーデンの時からしか知らないが、茶髪でメイクが濃く、同じような女友達とはしゃいでるので、聖司はあまり好きではなかった。


 そんな黒山さんが、お風呂から上がったあとのノーメイクの顔が、美肌で童顔で可愛かった。ギャップにドキドキした。聖司はこっちの方がいいと話すが、素顔なんか恥ずかしくて無理。彼氏にも無理。安田先輩なら、安心だし問題ないと…



俺は問題外らしい。ただのメッシーくんアッシーくんみたいな部類なのだろう。ま、元からそうだろうなと思ってたから気にはしない。


 

 2人は寝る事にし、離れて寝る。何もするつもりもない。途中、黒山さんは起きてトイレに行き戻ってくるが、寝ぼけて俺のベッドに入って来て俺を抱き枕にする。黒山さんのスタイルは良くないがやらかい体が聖司を固くする。



 聖司は黒山さんが寝てるのを確認し、聖司から抱きつき、お尻に手を置く。顔は胸元に近づける。大きくなく、柔らかさがありいい匂いだ。



「したいなら、ゴム付けてよ。」


 黒山さんはいきなり話す。目が覚めたようだ。


「ゴムなんてないよ。」


「なら買って来れば?」


 

 聖司は断らず夜中にコンビニまで買いに行く。朝ご飯も一緒に買う。店員は黒山さんより可愛い。ご飯はカモフラージュのように見られて恥ずかしかった。



 買って戻ると黒山さんは聖司のベッドで待っていた。そんなところは律儀だな。



 聖司はゴムを出して、黒山さんの横に寝て、抱きしめる。黒山さんにキスをしても胸を触っても下を舐めても黒山さんから来ることはなかった。これがマグロか。面白くない。聖司は疲れたと途中でやめて黒山さんの横で寝る。黒山さんは何もなかったように布団に戻る。

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