第11話 長澤さん①
聖司は大学2回生になった。聖司は大学の研修旅行に参加することにした。場所は北欧のスウェーデンだ。スウェーデンは福祉最先端の国なので、勉強のためだ。
研修旅行の説明会に参加する。男3女の子7の割合くらいだ。知り合いはいない。聖司は大学2回になってもまだ男の友達はいても女の子と^_^中々話出来ず友達や話す人もいない。
【男子校あるある 異性と馴染むのが遅い】
説明会は何もなく終わり、1ヶ月後スウェーデンに出発した。スウェーデンまではフィンランドで乗り換えて15時間ほどの旅である。長時間のフライトの隣の席には1回生の女の子が座った。長いツヤツヤした髪で整った顔で160ないくらいのスレンダーな女の子だ。ザ・女の子に話かける勇気はなかったが、女の子の方から話かけてくれたので自然と話す事ができた。
名前は長澤麻里ちゃんと言うらしい。6年間女子校育ちな俺と似てる環境で育った女の子だ。
「先輩は男子校だったんですね。どんな感じなんですか?」
「先輩はクラブ何かしてましたか?」
「先輩は将来何になりたいんですか?」
特段おもしろい会話はないが、先輩と毎回言われるのがとても嬉しい。男から先輩と言われるのと全く違う。女の子に先輩と言われたら守ってあげたくなる。
聖司は男子校と女子校とのあるある話で仲良くなろう作戦をした。
「女子校から共学の大学に入って長澤さんは男子と話できた?」
「全くです。男子の記憶は小学生で止まってたので、いきなり大きくなってて、話す事は出来ませんでした。」
「俺も一緒だよ。いきなり女の子が大人になってるから緊張して話出来なかったな。今も話出来ずに女の人の友達も話す人もいないよ。長澤さんが今話しかけて来てくれてすごく嬉しいよ。」
「同じですね。先輩に勇気出して話しかけて良かったです。」
いい感じだな。そのまま友達になれたらいいな。聖司は言葉を選びながら話を続けた。
「男子校てさ、女の人いないから変な話とかばっかしてたけど、女子校てどんな感じなん?」
「やっぱり男子がいない分、大分変な話してましたね。経験ないのに、経験豊富な人みたいに情報や知識たくさん覚えました。」
「女の子もすごいね。例えばどんな話?」
「え〜先輩に言うのは恥ずかしいですよ。言えるとすれば、する時にどんな声を出したら可愛いかコンテストみたいな事してました。」
思ってたより、女子校の闇は深そうだ。
「これは男子校よりディープだね。男子校なんかはみんな子どもだから、どんな顔が好きかどんな体がいいかとかくらいの話だったわ。」
「えっ、そんなくらいなんですか?私の話って。恥ずかしいです。」
長澤さんは、顔を赤くし、顔を手で隠した。可愛すぎます。
「麻里ちゃん、大丈夫だよ。女子校の事しれて楽しいし。麻里ちゃんの照れた可愛い顔も見れたし。」
「可愛いだなんて、先輩おちょくらないで下さいよ。」
下の名前で読んだ事は気にしていないらしい。良かった。
「ごめんごめん。でも本当の事だから。麻里ちゃんはそのコンテストに参加したの?」
「もう、してないです。どんな声でるか想像できないですし。あっ、そういえば、どんな風に舐めるかバナナを使ってコンテストに参加した事はありま……いや、わ、忘れてくださいっ。」
麻里ちゃんは、自分の言った事に撃沈してしまった。少しからかってみようかな。
「へー、そんなコンテストしたんだ今度バナナ買ってくるね。」
「もー先輩の意地悪っ!バナナじゃなくてもいいですよ?」
麻里は急に真顔になり、聖司をじっと見つめながら、上目遣いではなす。
「いやいや、麻里ちゃん、えっと、何?」
「あははっ、先輩本当に女の人に弱いんですね。今のは男性をドキッとさせるコンテストです。良かったですか?」
「す、凄いね。麻里ちゃん。ドキッとしたよ。恥ずかしい所見てたな。じゃ、今度舐めてもらおうかなって言えば良かったのかな?」
「こんな露骨に言ったら駄目ですよ。女の子は引いちゃいます。じゃ、今度2人の時に見せてね。くらいですかね。2人の関係性にもよりますけど。あっ、先輩が途中から私のこと名前で呼んでくれたの自然で良かったです。」
「なるほどね。参考になるよ。良かった。自然に見せれてよかったよ。あっ、普通に自然に言葉に出ただけどね。麻里。」
等と、男子校と女子校の話で仲良くなり、飛行機の長いフライトも楽しく過ごせた。
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