第2話 矢井田さん①


大学生活1日目


 入学式の女の子はスーツから私服になり、よりエロくなっている。エリサさんとの件があったが、エリサさんよりはエロくない。「あ〜やっぱり女の子の多い大学で良かった。スポーツ推薦なら絶対男ばっかりだっただろうな。」


 聖司は感動しながら、とりあえず大講堂に集合との事で。大講堂の入り口が見えやすく、ひと目に付きにくい場所に早目に着席する。そして、来る女性・女性を確認していく。男子なんか目に入らない。顔より最初は胸か尻にしか目は視線は合わない。



 男子校ではエロ本が一日に小さな本屋くらい没収されるほどたくさん溢れていたし、太い男子のおっぱいを揉んだりして、女の子のおっぱいはこんな感じかと想像を膨らましていた。女の子とどんな事をするかなんて情報はたくさんあって、頭の中では全てコンプリートしている。実物との経験がないだけだ。



 しかし!同い年の女の子の胸なんか服の上からでもエロ本よりエロい。実物ほど素晴らしいものはない。男のおっぱいなんか問題外だ。頭の中での経験なんて無駄だ。



「どうしよう。胸大きい。綺麗。お尻ぷりぷり。スカートヒラヒラ。ブーツ。谷間。可愛い。柔らかそう……」


 もう、瞬きするのももったいない。聖司は部活時代の集中力を生かす事ができている。部活が役に立って良かった。



 そんな時、不意に前の学生から…



「ごめん、ペン余ってる?」



 可愛い声が聞こえる。聖司は今まで変な事しか考えてなかったから、いきなりの不意打ちにテンパり、…



「あっ、ご…ごめんください。よ…良かったら好きなペン達を使ってちょうだい。」



 あまりにも変な言葉使いになりながら、急いで筆箱をそのままその声の主に渡す。女の子はその筆箱を受け取り困っている。女の子は笑いを堪えているが、限界みたいだ。



「あはははっ。ありがとう。でも、一本でいいよ。」



 はい。可愛い笑い声と優しい答え頂きました。聖司は少し落ちつち、可愛い返答に感謝する。



「ごめん。こんなに可愛い人に話しかけられるの初めてで、焦ったよ。ありがとう。」



 聖司の言ったことに女の子は真っ赤になる。聖司は言った事を思い出す。あっ、またやっちゃってる。



『あははっ、お世辞でも嬉しい…よ。あなたもかっこいいね。ペン借りるね。矢井田です。よろしくね。』



 セーフ。なんていい人なんだ。好きだ!聖司はエリサさんの時と同様、すぐに矢井田さんの事が気になってしまった。男子校だから、女の子に免疫がなく、可愛い姿を見ると気になるのは当たり前だった。



「あっ、安田聖司です。よろしくお願いします。ペン1本でいいですか?高い方もありますよ?」


 急にまじめになる。矢井田さんに嫌われたくないから。矢井田さんは、聖司がチェックしていた中でも5本の指に入るおっぱいの持ち主だ。しかも服装もミニスカートで胸元も開いている。それが同い年なんて。エリサさんよりは開いてないけど。


『セイジくんね。名前近いと、多分出席番号も近いから一緒になる事多いかもね。困った時はまたよろしくね。』


「任せてちょうだい。て、もう名前で呼んでくれるんですね。嬉しいです。」


『私の事も良かったら、あずさと呼んでね。』


 そんなやり取りがあずささんとの最初の、出会いだ。大講堂での集会の終わりであずささんが立って後ろを向いてペンを返してくれた。高い位置にいる聖司は矢井田さんのブラチラ見ながらペンを受け取り、ペンでの関節手繋ぎもできて幸せだった。男子校出身からしたら、何を触ったかわからない男の手でペンを触られるより、女の子にペンを触られるなんて、宝物級だ。





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