いるかさん

第56話

朝からチャイムが。…もしかして…亮介くんのお兄さん?怖いなぁ…

しかし、そこには劇団を辞めたいるかさんがいた。


「…はい」


「絵里ちゃーん!久しぶり〜」


「どうしたんですか?」


「この辺に用があって、絵里ちゃんの家思い出したのー」


前に泊めたことあったせいだ。仕方ないから中は入れる。


「いるかさん、急に劇団辞めて、心配してました」


「でも連絡くれなかったじゃないの」


「それは…安菜さんが、自主退職だと言ったので、子育てするのかな?と」


「なわけないでしょーよ。安菜さんに、辞めれば?って言われたから辞めてやった」


「そんなこと…言われたんですか?」


「そうよ!」


怪しい…いるかさん勝手な人だからな。


「他の劇団入りたいからオーディション受けて回ってるのよね〜。なかなか決まらないのよ」


「そうだったんですね…」


「ねぇ安菜さんって、相当妄想とか酷くてやばいよね〜。あんな人のとこでよくやってられるわよね、絵里ちゃん」


「…安菜さんはすごい女優ですからね」


「そうかしら?ただの変態じゃないのー?みんなどうかしてる」

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