第51話

「私のこと変な噂立てたら許さない!」


「なんのこと?」


「わからないの?みーんな、不信がってた!私を悪者にしないでくれる?」


怖いよ…


「…もしもし?どういう状況?説明して。誰と揉めてる?」


「…あの…元カノ、さんです…」


「足助から聞いたけど…なんかやばそうになってるな」


「…私、じゃ…どうにもできなくて…」


「家どこ?俺行くよ」


え…?


「あ、でも…」


「教えて」


一方的に攻め立てられ、捲し立てられ、大騒ぎ。うちは、防音だから、大丈夫とは思うけど…玄関が怖いことに。

お兄さんに勝手に住所教えてしまった。

その間も、2人は噛み合わない会話をしていた。私はどうすることもできない。


しばらくして、チャイムが鳴って慌てて対応する。…す、すごく亮介くんに似てる!無言だけど、すぐにわかったので開けた。


「こんばんは」


うちのドアが開いた。すると、元カノさんは黙る。


「絵里ちゃんだ。久しぶり」


「…お兄さん…どうしてここが」


「なんで兄貴?」


亮介くんはぼんやりした。


「お前の彼女見にきた。どんな女か」


「はぁ?なんだそれ」

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