第45話

「で?他にもなにか」


「教授の職…についてなのですが、荷が重いです」


「あらそう」


「いや、ちゃんと聞いてあげようよ」


「…私はコツコツ地道にやるのは得意なのですが、仕事量が多くて…」


「よしわかりました。私が仕事の分担させましょう」


「なにを偉そうに?バイトの分際で?」


「わたしの元々の仕事ですからね。教授、ご迷惑をかけて申し訳ないです」


「い、いえ…」


話してよかった。涙出てきた。辛かったから…


「あらまぁ、教授…」


「泣かせるなよ!ティッシュどうぞ」


「すみません…」


「終わりました」


亮介くん、終わったそうだ。


「…安菜さんが今やってる舞台の関係者から、誘われたそうで。面接受けないかと言われました」


「そうなんだ!よかったね」


「本当にいいんでしょうか。俺には罪があります」


「亮介くん、いいんだよ?大丈夫」


「あれ、笑理?泣いてる?」


「だ、大丈夫だよ」


ティッシュで慌てて拭った。


「なにを長々と話してたのかしら?」


「それが…引き継ぎしてなくて、その件でいろいろ聞かれました。ポスターデザインとか、設計のこととか。あ、これは安菜さんじゃない担当の人に聞かれて。あー、誰を担当にするかとか、とにかくいろいろ聞かれました」


亮介くん、すごい。たくさん仕事持ってたんだ。

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