第43話

「亮介くん!安菜は電話しても出ないって困ってましたけど。他の人の電話も出てないそうね。どういうこと?」


「…あ、携帯見てませんでした」


亮介くんは慌てて携帯を取り出す。


「あ、電源切れてました」


「…これ、安菜と繋がってるから出て」


「え、はい」


亮介くんは、電話中だ。私はどうしたものか。


「美作教授は、付き合うの辞めるんですか?」


教授は再び座り、私に問いただす。


「それはないです」


「…そうなんですね」


「そ、それよりも、あの、教授にご相談が…」


「なんですか?」


「私、実は…サラシを巻いてます。それを辞めたいんですが…タイミングをどうすればいいか教えてほしいです」


「は?なんですかそれは」


「説明させて頂きます」


旦那様もいるけど、いい!もう、話そう。

そう思って勢いよく話していた。


「つまり、男に見えるから胸などないほうが似合うと女子に言われ、そうしてきたけど、女に見られたくなったと?」


「そういうわけではないのですが、私はどっちつかずで、どうしていいかわからなくなってしまったんです…でも、亮介くんといると、無理なくてもいいんだなって思えたんです。窮屈なのは、もう嫌になりました」

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