第26話
「彼女のことなんて呼んでる?」
「名前呼びです」
「なんて呼ばれる?」
「亮介くんです。呼び捨てが恥ずかしいとか言ってて」
「おーかわいいねぇ」
「そうなんですよ」
なにあれ、にやにやして。私のことそんなふうに話したことある?男好きなの?
「絵里ちゃーん!いるー?」
う、美香さん。なんでこんなとこまで
「あ、はい…」
「彼氏がきてるよー!みんなも見るー?」
うそだ…なんで…
「あ!絵里ちゃんいたんだ!愛理も見たい!行こうよー」
そんなぁ。亮介くんは気にせずご飯食べてる。その後、入り口まで美香さんに連れてかれた。後ろから何人かついてきた。
「あ、青上さん」
…名前呼びじゃない。
「…わざわざどうしたの?外で話そう?」
「え」
無理矢理外へ連れ出す。雨が降っていたから、屋根のあるとこまでで。そんな私たちを、ガラス扉の内側からみんな眺めてる。会話は聞かれないだろう。
「…どうしたんですか?」
「…昨日、これを渡しそびれて」
は?
「お土産です」
プレゼント?
「ありがとうございます…」
小さな包み紙だった。これどうやって中に持って入ればいいんだろ。
「用事はそれだけです。では」
「あ、はい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。