第11話

スーッと亮介くんは通り過ぎた。その顔は嬉しそうにしてた。…つまり?あの男の子を女装させて、私に見立てることになったんだ。


翌日、先輩の美香みかさんに報告する。


「亮介くん、昨日男の子の家に行ってました」


「それは、友達?」


「…噂の彼女だと」


「え!?男が好きなの?」


「違います。たぶん…女装させるんです」


「えー!そんな趣味が?」


「衣装さんから聞いた話だと、下着を彼女にプレゼントするとか。おかしいですよね?」


「…最近付き合った彼女にか…さすがに…ねぇ」


「亮介くんより背が高くて若い男の子でした。女装が似合うかも」


「…それをどこで見かけたの?」


「それが、うちの近くの高級マンションなんです!」


「えー!金持ちってことか」


「そうです。その子は世間知らずなんじゃないかと」


「これ内緒にしといたほうがよさそうだね。みんな驚いちゃう」


「そうですね。亮介くんどうかしちゃったみたいです」


「絵里ちゃんのせいじゃないよ?」


「ありがとうございます。でも、やっぱり少し責任感じて」


「大丈夫。今だけだって」

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