第5話

昼になって、食堂へ行く。ご飯はあまり食べないし、ほぼ食堂で栄養を摂ってるようなものである。


美作みまさか教授、今ご飯ですか」


「あ、以原教授。お疲れ様です」


教授(元)が私の前の席に座った。


「なかなか予定通りにはいきませんね。生徒たち、進み具合悪いです」


論文を見てあげてるようだ。


「そう…ですよね。私がなかなか見る暇もなくて。申し訳ありません」


「いいえ。私が突然辞めたせいで、迷惑かけてしまって。できることはやりますので、お任せください」


教授はいつも自信あってすごいな。


「あ、そうだ。他の研究室の教授たちが、話したいとかなんとか言ってんでした。ちょっと行ってきますね」


…忙しすぎ。


あー仕事のこと相談できない。辛い、辛いよ〜!でもみんな辛いんだから…私だけじゃないんだよ。ぼやーとしてる私と違って、以原教授は隙がなくて、すごいなぁ。私もそんなふうになれる?いや絶対になれない。定食を食べてせめて栄養を摂らないと。


ん…?


ポケットの携帯がバイブしてる。珍しい…こんな長いのは電話だ。


画面を何気なく確認する。


あ!

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