研究室

第4話

「おはようございます」


「おはようございます、教授」


早めにやってきてたのは、生徒。みんなまじで、一生懸命研究に励んでいる。だけど私は、仕事がなかなか進まない。以原いはら教授が突然辞めてしまったので、引き継ぐことになり、教授のデスクを使うことになったのだが…。細かい分類分けが難しくて、全然使いこなせない。やることもたくさんあるけど、ごちゃごちゃになってしまう。


泣きそう。


毎朝、出勤して早々にこの散らかり放題なデスクを見ると思ってしまう。

しかし!そんな辞めたはずの以原教授が大学に戻ってきた。手伝ってもらいたいことが山ほどある。けど、それは准教授たちも生徒も同じだから、取り合いになるのだった。


はぁ。ため息が出てくる。午前中は、1人で作業をする時間にしているから、ため息は誰にも聞こえない。他の先生は授業だし、部屋違うし。寂しいけどやることいっぱいで、そうも言ってられない。


…教授というポジションが辛い。以原教授はどんな気持ちでやってたんだろう。私は考えたこともなかった。

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