第2話

「あ!亮介の元カノの青上あおがみさんだ!」


うゎ…。衣装の人にいるのばれた。そして近寄ってきた。


「お疲れ様です…」


「さっき亮介が、彼女に下着買うとか言ってたけど、それって青上さんにじゃないよね?」


は…どういうこと?


「別れてますよ」


しかも、そんな変なもの亮介くんが選ぶはずない。


「だよね?なんかサイズの測り方教えてとか言い出して。あいつやっぱり女装趣味に?」


…亮介くん、迷走してる?


「知りません」


「そうだよねぇ〜。じゃ、仕事戻りまーす」


私は、コミュニケーションを取るのが苦手だ。亮介くんは、どういうわけか誰とでも話せる。そういうところは、むっとしてしまう。


食べ終わって稽古場に戻ると、先輩の美香みかさんが寄ってきた。


「絵里ちゃん。亮介くん、彼女できたらしいよ?聞いた?」


「知りません」


休憩は混まないようにするため、食事はみんな同じ時間にはしていない。だからその場にいないはずなのに、なんでそんな話を?


「そうなの?なんか、最近付き合い出したんだってー」


「…劇団の人ですか?」


「さぁ?」


亮介くんはもてないと思ってたのに。どういうこと?


「絵里ちゃんは、彼氏とどう?」


「…奄美にいるので会えてないです」


地元の同窓会で会った時に、付き合うことになったけど…ずっと会ってない。メールをするくらい。

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