泡沫の 孤独は夢や 手放せん

泡沫うたかたの 孤独は夢や 手放せん』

    桃もちみいか作




 孤独は、誰もが抱える感情。

 寂しさと同等でいて、時に非なり。


 自分が女だと思い知らされる、より自覚する数日。


 ホルモンバランス、よくも毎月、私の気持ちを揺り動かし、気分の浮き沈みを起こしてくれるな。


 だいたい落ち込んだり、カレシとかと喧嘩するのはこの時期。


 不安定な自分。

 怒りやエネルギーが溜まっているのに、繊細で弱々しく脆い。


 熱を持った硝子細工みたいに。

 パリーンッと割れてしまいそう。


 硝子の破片がどうか、誰も傷つけませんように。


 なるべく人に会いたくないのに、人に会いたい、温もりが欲しくなる孤独さと寂しさをどう紛らわすかが勝負。


 自分なのに、内なるホルモンの機嫌を取る。


 上手くコントロール出来たら、きっと人生がもっと豊かにスムーズに生きられる気すらする。


 自信もない、なにもない。


 でも、輝きたいし、楽しく生きたい。


 夢はまぼろし、泡沫でも、掴もうと手を伸ばせば輪郭は見え、実体化し実現して掴み取れる。


 夢はひとつのかぎりなく。


 孤独を砕き、やり過ごすために、必要で。


 わたしはそれを手放せない。


 だが――。


 孤独は、夢を掴むためにあることに気づいた。


 夢を手に入れようとすればするほどに、孤独。

 それで、寂しい。

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