第6話 成果

2話冒頭のシーンからの続きです。


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「あぁ、実験は成功だ…魔素が…漲る…」


 今私は歓喜している、自分の中に魔素がみなぎっているのを感じ取れるのだ。


「僅か数%の肉体の置換でこの成果、素晴らしい!」


 今も僅かにじんじんとかすかに痛むような気がする左手の小指を撫でながら、全身が私は興奮をおさえきれなかった。


「【万能鑑定】」


ステータス

名前:名前を入力してください

生命力:定義付けしてください

魔素:1503/4503

力:定義付けしてください

魔力:1~4503

体力:定義付けしてください

敏捷:定義付けしてください

器用:定義付けしてください


「あぁ、やはり神は私に強くなる権限をお与えになっただけなのですね、怠惰な者ではその権限を十全に活かしきれない、そうなれば世界に与える影響は小さくなってしまう、神は私に期待してくださっている。」


 静かに天を仰ぎ敬虔な信者のように神に祈りを捧げる。


「これを繰り返していけばやがて魂への干渉に必要な魔法を創る際に、必要な魔素を現在保有する魔素だけで賄うことが出来るようになる、そうすれば複数の身体を創り自身の安全を確保した上で、魔素を外部電源のように予備の身体から供給することにより、擬似的に無限の魔力を保有することも出来る。」


 今までの魔素の使用量からして、明日からは単純な魔法を創る程度なら気絶はしないだろうという確信がある、真っ先に取るべき魔法は決まっている。


「麻痺の魔法を創りましょう、麻痺…いうなれば麻酔とは部分的な麻痺を狙った箇所で引き起こす技術、これを素人が再現するとなるとかなりの時間と労力を要する、全身の置換を効率的に進める為には体力の消費を抑える手段が必要です。」


 出血については結構な量の血液を流しても完全回復を使えば、に回復してくれる為気にする必要はないだろう、おそらく魔素を魔力に変換してその魔力が欠損等を補う為に更に変質しているのだろう。


 この完全な状態というのがどの程度のものなのか、先天的な異常や欠損はその状態を完全とするのか、人体にとって理想的な状態を完全とするのかいずれは検証が必要となってくるだろう、リスクのない実験のモニターなら探せばいくらでも出てくるだろう。


「先ずは明日、魔素の回復を確認して問題がなければ麻痺の魔法を創る、そして魔素の消費を調べて問題がなければ魔法を使用して魔素消費量の検証と新たな置換部位の作成ですね、今度は麻酔もあるので大きめが良いのですが、そうなると切断方法が問題になってきますか。」


 新たな切断方法、やはり魔法かスキル出来れば両方有れば良いが、先ずは魔法から創るべきだろう、スキルの創造は体感的に魔素消費量が大きいように感じるのだ。


 魔法は使用に魔素を使うから創造自体にかかるコストが低く、スキルは使用に魔素を消費しない分他に何かを消費しているのかもしくは何も制限なく使用できるのか、これもまた検証が必要だが少なくとも魔素がなくても発動出来るのは大きい。


「これもまた、明日への課題ですかねぇ?」


 彼は今回の実験でまた多くのタスクを新たに抱えつつも、充足した心で日常をこなしていった。

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