檸檬れもんレモン
レモン
れもん
檸檬
あなたは
ただ
人匙の
檸檬を
その、熱く、煮立った、ジャムに入れた。
家を、追い出され、
夜中の暗さを
這い回っていた私に
あなたは
一瓶の
ジャムを拵えた。
冷えた
体に
あなたの
お気に入りの
パン屋さんの
フランスパンに乗せた
熱いジャムが
染み渡る。
「一緒に、暮らそうか。」
「今度、二人で寝れる、布団を買おうか。」
「私を、あいしてる?」
「人として、誰よりも。」
本能がいったのだ。
この人が私を
異性として
恋愛対象として
愛してくれることなどないと
それでも今は
このジャムのような
甘酸っぱさに
酔っていたかった。
「枕も買わないとね。」
私は虚な目で
そういったのだ。
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